10年本決算は75%増益、廃棄物発電事業が好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00735 中国電力新能源発展有限公司(チャイナパワー・ニューエナジー)  0.67 HKD
(03/15現在)
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中国電力新能源発展の2010年12月通期決算は、売上高が前年比11.1%増の12億7800万元、純利益は同75.4%増の2億3400万元だった。純利益はBOCI予想を約16%超える水準に達したが、売上高および営業利益がそれぞれ予想を19%、14%下回るなど、コア収益はBOCI予想に届かなかった。純利益が予想以上の数字となったのは主に、系列会社および合弁会社の利益貢献が3億7000万元(前年は2億1000万元の赤字)に達したため。非全額出資の廃棄物発電事業や上海東海風力発電プロジェクトが寄与した。

同期は風力発電部門の業績がやや低調だった。甘粛省の風力発電所第1期、第2期の設備稼働時間数がそれぞれ平均1341時間(前年実績は1543時間)、同1843時間(同2208時間)に減少したことで、風力部門の総稼働時間は平均1039時間にとどまった。BOCIによると、第3期、第4期が今後操業を開始するのに伴い、11年には稼働能力が300時間分増加し、12年までの増加分は750時間に達する見通しという。一方、広東省の東莞および徳慶に位置する廃棄物発電施設の操業状況は好調で、設備稼働時間数はそれぞれ7136時間(稼働率81.5%)、8434時間(同96.3%)に上った。

同社経営陣は11年までに、クリーンエネルギー設備(据え付け済み)を2000メガワット(MW)規模に引き上げる目標を明らかにしている。うち最大52%を風力が占め、ほかに水力が23%、天然ガスが18%、バイオマスおよび廃棄物発電が5%を構成する見通しという。BOCIは中でも廃棄物発電プロジェクトによる力強い収益貢献を予想。同社の廃棄物発電能力が13年までに現在比72MW増加し、114MWに達するとみている。 東莞の天然ガス火力発電所に対する補助金は10年に1キロワット時(kWh)当たり0.27元と、BOCI予想の同0.32元の予想を下回った。BOCIは補助金額が13年まで現行レベルで横ばい推移する見通しを示し、この点を懸念材料として指摘した。一方、同社のプラス要因としては以下の点を挙げている。【1】江蘇省大豊風力発電所の電力卸売価格が正常化する見通し(現在価格は1 kWh当たり0.488元と、基準値の同0.61元を下回る)、【2】Shanxikou水力発電所の電力価格が上昇する見通し。現在の1kWh当たり0.21元から11年末には同0.24元に引き上げられる可能性が高い。【3】東莞のガス火力発電所のコージェネレーション第2期プロジェクトが認可される見通し――。 BOCIは同社がクリーンエネルギー開発事業者として政策の恩恵を受ける見通しを示しながらも、市場が期待している水力・風力の電気料金値上げやガス火力発電所プロジェクトの始動にはやや時間がかかるとし、水力発電大手、中国長江電力(600900)の資本参加に伴う風力事業の強化もある程度時間を要するとの見方。同社株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立的な見方に修正している。