先週の日経平均は、米早期利上げ懸念を受けて一時18,577円まで下落しましたが、週後半は外国人投資家の積極買いで、19,254円まで急伸しました。
今週も、外国人投資家の買いによって、日経平均は堅調に推移すると見ています。年末の日経平均予想を20,000円→21,000円に引き上げました。
(1)景気回復を織り込み始める日経平均
日経平均週足:2013年1月~2015年3月13日
「景気回復の実感がない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、株は、多くの人が回復を実感する前に上昇します。下がる時は、多くの人が景気悪化を実感する前に下がります。
今の日経平均上昇は、2015年に日本の景気・企業業績が、再び拡大局面に入ることを織り込む動きと見ています。
(2)来期の企業業績見通しを引き上げ
東証一部全産業(除く金融)ベース経常利益の増益率
2014年3月期 | 実績 | +36% |
2015年3月期 | 前回予想 | +9% |
同 | 今回予想 | +9% |
2016年3月期 | 前回予想 | +11% |
同 | 今回予想 | +15% |
全産業(除く金融)ベースの来期経常利益予想を引き上げました。来期増益率を、1月11日に+8%→+11%と引き上げましたが、今回さらに+11%→+15%へ引き上げました。
円安メリットに加えて、来期、原油安メリットが本格寄与する効果が表れます。今期は、原油安メリットがまだ本格的には出ていません。過去に高値で買い付けた在庫が残っているからです。今期は、高値在庫を処分している状態で、来期に原油安効果がフル寄与します。
来期は、長期契約のLNG(液化天然ガス)輸入価格が下がってくると見ています。輸入LNG価格が下がると電力料金にも下げ余地が出てくると思います。原油だけでなく、LNG・鉄鋼石・石炭・銅・天然ゴムなど日本が輸入する資源が全面安になったメリットが、来期日本経済の追い風となります。
さらに、来期になると、日本株上昇の資産効果で、高額消費が回復すると予想します。
(3)日経平均の2015年末予想を引き上げ
来期(2016年3月期)業績予想の引き上げに伴い、2015年末の日経平均予想を引き上げました。年末予想値を、21,000円とします。
今年最大のリスクは、アメリカの利上げという見方は変わりません。年央に、スピード調整があると見ています。ただし、原油安効果で、アメリカおよび世界のインフレ率が低下している効果から、アメリカの利上げは、あっても1~2回で打ち止めと予想しています。
「アメリカのFRB(中央銀行)は一度利上げを始めると5~6回連続で利上げし、アメリカの短期金利は2%くらい上がる」が市場のコンセンサスとなっていますが、このコンセンサスは修正されると思います。