先週の日経平均は、1週間で333円安い16,864円となりました。今週の日経平均は、17,000円台への反発を見込みます。
(1)先週の日経平均下落の背景
2つの悪材料が、先週の日経平均下落の原因となりました。
- 銅価格が急落
銅鉱山の開発を行っている「銅関連銘柄」が急落しました。
- 15日(木)にスイス・フランが歴史的急騰
スイス・フラン高につられて16日(金)の東京市場で一時1ドル115円台へ円高が進展しました。日経平均は円高を嫌気して一時前日比516円安まで売られましたが、大引けは同244円安の16,864円まで戻しました。
(2)先週16日(金曜日)のニューヨーク市場の動き
先週16日のNY市場で為替が1ドル117.48円まで円安に戻しました。ドル円為替レートは、スイス・フラン急騰前の水準まで戻ったことになります。これを受けて、CME日経平均先物(円建て)は17,070円まで上昇しています。
なお、WTI原油先物(2月限)は前日比2.44ドル高の48.69ドル/バレルへ反発しました。原油急落を嫌気して下げていたNYダウも、これを受けて16日は前日比190ドル高の17,511ドルに上昇しています。
(3)日経平均17,000円前後は買い場の見方を継続
年初から日経平均が下がった理由は、①逆オイルショック懸念、②銅価格の急落、③ギリシャの信用不安が復活、④スイス・フランの歴史的急騰につられた円高の進行です。
私は、どれも日本の企業業績の回復を妨げるものではないと考えています。日経平均は、2015年の企業業績の拡大を背景に、年末に20,000円へ上昇する予想を継続します。
年初からの悪材料に対する私の見方は、以下の通りです。
- 原油急落→短期的にはマイナス効果もありますが、長期的には資源輸入国の日本に大きなメリットをもたらします。
- 銅急落→原油急落と同じです。短期的にはマイナス効果がありますが、長期的にはメリットをもたらします。
- ギリシャの信用不安復活→日本への影響は限定的です。
- スイス・フランの急騰につられた円高進行→一時的と考えます。年央に再び1ドル120円に向けて円安が進むと予想しています。
スイス・フランと日本円は、過去には、為替市場で連動することが多かった通貨です。ともに、低金利の高信用通貨として見られてきました。ただし、今は金融政策の方針が異なるので、連動する理由はありません。スイス国立銀行(中央銀行)は、ECB(ヨーロッパ中央銀行)と歩調を合わせて金融緩和を行うことを拒否し、スイス・フラン急騰を許容しました。しかし、日本銀行は、緩和を拡大しつつあります。スイス・フランの急騰に連動して円高が進む理由はないと考えています。
(4)新春講演会でご紹介した「参考銘柄」
18日に横浜で開催された楽天証券の新春講演会に多数ご来場いただき、誠にありがとうございました。会場でご紹介した銘柄名を、ご参考までに、以下に掲載いたします。
- よく知られた円安メリット株
トヨタ自動車(7203)、日本精工(6471)、三菱電機(6503)、ブリヂストン(5108)
- その他いろいろ円安メリット株
JFE HLDG(5411)、日本郵船(9101)、富士フィルムHLDG(4901)、東日本旅客鉄道(9020)
- 好配当利回り株
三菱商事(8058)、武田薬品工業(4502)、日本電信電話(9432)、三井住友FG(8316)
- 保有不動産の含み益から見て割安な銘柄(都心の不動産価格上昇が始まれば注目されると考えています)
三井倉庫HLDG(9302)、京阪神ビルディング(8818)、飯野海運(9119)、日本通運(9062)