今日の為替ウォーキング

今日の一言

風で強い草がわかる。雪で強い木がわかる。挫折して人間がわかる

Everybody Have Fun Tonight

 BLS(米労働省労働統計局)が8月2日に発表した雇用統計では、7月のNFPは11.4万人増となり、事前予想の17.5万人増を大きく下回った。7月は悪天候の影響で、同月としては過去最多となる43.6万人が出勤できなかったことが影響した。また、6月の雇用者数は20.6万人カら17.9万人に下方修正された。失業率は4.3%に上昇した。これらは雇用市場の減速を示すものだが、悪化しているというほどでもない。数字が示しているのは、新型コロナ後から続いてきた「異常な成長」が落ち着き、米国経済がトレンドに戻ったということだ。

 雇用統計の詳しい予想は「雇用市場が急回復なら、利下げは「なかったことに」?8月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

2000年以降のFRBの利下げとその主な理由

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 FRBは過去30年間に8回、臨時会合での利下げを行ったが、その全てにおいてショックが株式市場にとどまらず広く拡大していた。債券市場では、資金の流れが目詰まりを起こし企業活動に支障をきたすリスクが発生していた。

 今回の状況は、強いて言えば2001年1月と似ているが、その前年の2000年に2回(6月と10月)に雇用者数がマイナスに落ち込むなど、 当時の経済はかなり弱っていた。現在の米経済に、このような変調は見られない。

 株式市場を安定させるためにFRBが引き下げ幅を0.5%にするという意見もある。しかし、FRBが対応するのはインフレと成長であり、株価の水準や相場のボラティリティではない。FRBが株式市場の下落に対して利下げするのは、相場のボラティリティが金融の安定を脅かす時だけだ。今のところ、そのような状況ではないし、景気後退の兆候を示す証拠もない。

今日の注目経済指標

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注目テクニカルレベル

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