今後数カ月の間に何が起こるかは分からないが、何事もなく終わることはないだろう
ジム・クインは米大統領選挙でどちらが勝っても最終的な結末は同じだと述べている。「危機、大惨事、崩壊へのカウントダウンが始まっている」というのだ。
彼のブログから、その要点を以下に紹介したい。
トランプを選ぶことで、米国は破局的な崩壊を一時的に止めることはできるかもしれないが、何十年にもわたる誤った決断や、世界が米ドルへの信頼を失い、今にも崩れ落ちそうな負債の塔を覆すために、彼ができる実質的なことは何もない。
何十年も前にルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが述べたように、本当に逃げ場はない。35兆ドルの負債があり、数カ月ごとに1兆ドルずつ増えている現状では、信用拡大は限界に達している。崩壊は避けられない。
「信用膨張によってもたらされた好況の最終的な崩壊を避ける手段はない。問題は、さらなる信用膨張を自主的に断念した結果、危機が早く訪れるか、それとも通貨システムの最終的かつ完全な破局として、危機が遅く訪れるかだけである」
(ルードヴィヒ・フォン・ミーゼス)
今後数カ月の間に何が起こるかは分からないが、何事もなく終わることはないだろう。4thターニング(80年サイクル:独立戦争→南北戦争→第二次世界大戦→2025年?)は常に、暴力的な動乱、死、破壊、そして明確な勝者と敗者に向かって激化する。
世界の大変革を警告する80年周期説
ストラウスとハウの循環史観
4thターニング:危機(冬の時代)
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は9月に利下げを行い、その後も利下げを続けるつもりだと世界中に語った。株式市場は史上最高値、住宅価格は史上最高値(2006年のピークより75%高い)、雇用は史上最高、GDP(国内総生産)は力強い成長、インフレ率はFRBの目標よりまだ50%も高いのに、なぜ彼はそんなことをするのだろうか?
彼は報告されている数字がうそであることを知っており、彼の上司はインフレを再燃させれば株価が上がり、債務負担が軽くなることを知っているからだ。破滅的な債務と資産の崩壊が待ち構えている。
しかし、(米大統領選挙までは)音楽はまだ流れている。
ほとんどの人々は、現在の現実の残酷な事実に直面したがらないか、直視できない。平常心バイアスにしがみつき、目の前にある紛れもない破滅的脅威を信じず、最小化している。
個人的には、今後6カ月が次の世紀、そしてそれ以降の人類の行く末を左右すると考えている。一歩下がって全体像を観察すれば、それは大げさな表現ではないと思う。この4thターニングは、歴史的な前例に基づけば、2032年前後に血なまぐさい結末を迎える予定だ。
選挙結果がどうであれ、負けた側が敗北を認めないため暴力が続くだろう。この危機が2008年にFRBとウォール街のオーナーたちによって引き起こされてから24年後の2032年までに、ある種のクライマックスと解決に向けて旅するように、内戦が世界的な紛争と結びつくと私は予想している。
出所:ゼロヘッジ「危機、大惨事、崩壊へのカウントダウンが始まっている」(ジム・クイン)
レイ・ダリオ作成の米国のビッグサイクル
ウォーレン・バフェットのバークシャーハサウェイの6月末時点の現金保有残高(現預金と米短期債の保有額を合計した額)は2,769億ドルと、前期(2024年第1四半期末は1,890億ドル)から約46%増え、過去最高を更新した。
バフェットが記録的な額の現金を蓄えると、2000年、2008年、2020年、そして今のように、12カ月以内に大規模な株価の暴落が起こる可能性がある。
急増するウォーレン・バフェットの現金の山
いま世界中で起きている終末的状況は、負債と資産の両建てで作られたエブリシングバブルに覆い隠され金融市場ではほとんど認識されていない。
米国が覇権を維持して生き残る唯一の方法は、何兆ドルもの紙幣を印刷することだった。市場をポンジ・スキームに変え、持続不可能で急速に増大する国家債務を管理していた。だが、そんな時代は終わりに近づいている。