時間を使った勤労所得とお金を使った財産所得

 ここまで見てきたとおり、収入を得るためには、大きく分けて2つしかないことが分かります。

 つまり、

1.自分の時間を使って従業員もしくは個人事業主として働き賃金・収入を得る方法(勤労所得)

2.自分のお金を使って株式を所有し、その株式会社のビジネスから収益を得る方法(財産所得)

 のいずれかです。

 この勤労所得と財産所得ですが、日本人はそれぞれどのくらいの割合で所得を得ているのでしょうか。

 また、株式投資が日本よりも盛んだといわれている米国では一体どうなのでしょうか。

 現状は以下の通りです(金融庁 平成27事務年度 金融レポートより)。

(注)勤労所得は被雇用者が実際に受け取る賃金・俸給(個人事業主が受け取る報酬は含まない)
財産所得は金融資産による所得(利子・配当・保険)+不動産賃貸料(金融資産や不動産の譲渡益・含み益は含まない)。
赤線は、財産所得の勤労所得に対する比率(右軸)。
(資料)米 Bureau of Economic Analysis、内閣府資料より、金融庁作成。

 まず、下側の日本ですが、

 勤労所得:財産所得 = 8:1

 くらいになっています。青い棒の面積が大きく、過去20年間にわたってはほとんどの所得が勤労所得になっていることが分かります。

 一方、上側の米国は

 勤労所得:財産所得 = 3:1

 くらいになっていますので、財産所得の割合は日本の2倍以上となっています。

 どちらがいいというのは一概にいえませんが、勤労所得以外にも、財産所得という収入形態があることをご理解いただけたのではないでしょうか。

 株式を購入し、保有し続けることによって収入を得る、それがまさに株式投資であり財産所得です。