今週の重大イベント:日米で金融政策決定会合

 今週は、10月30~31日に日銀金融政策決定会合が開かれます。31日(火)の昼頃、結果が発表される見込みです。また、10月31日~11月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。結果は、11月1日(日本時間では2日の午前3時)に発表される見込みです。

 日米とも金利上昇が不安視されていますが、事前の市場予想では、どちらとも、金利引き上げは行われないと考えられています。ただし、政策発表後の植田和男日本銀行総裁およびパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のメッセージによっては、金利先高感が強まる可能性もあります。

 10月31日に日銀は、金融政策の現状維持(異次元緩和を継続)を発表すると予想しています。ただし、インフレ見通しは上方修正すると考えられます。金融政策を変更しなくても、インフレ見通しを引き上げることで、金融市場に「先行き、異次元緩和の終了が視野に入っている」との見方が広がる可能性があります。

 11月1日、FRBはFF金利維持(利上げなし)を発表すると予想しています。政策発表後のパウエル議長のメッセージによって、米金利がどう動くかが、注目されます。

米長期(10年)金利と短期(FF)金利の動き:2021年末~2023年10月27日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 詳しい説明は割愛しますが、米長期金利上昇により、米国株はイールドスプレッドで見て、割高になってきています。日本の長期金利も上昇していますが、水準が低いので、日本株はイールドスプレッドが開いていて割安と判断されます。

日本と米国のイールドスプレッド(株の益利回りと長期金利のスプレッド):2023年10月27日時点

出所:QUICKより作成