今日の為替ウォーキング

今日の一言

人間は、自らが作り出した道具の道具になってしまった - ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

Say It Isn't So

 鈴木財務相は、為替介入のタイミングに関して「水準そのものは判断基準にならない。あくまでボラティリティーの問題だ」との見解を示している。

 しかし、為替介入の目的は「円安を止める」ことを認識するべきである。為替介入は「行き過ぎた動き」に対処するのであって「円安はよくない」とは、一言も言っていない。

 政府・日銀にとっての理想は、「安定的な円安」だ。急激な円安は困るが、急激な円高はもっと困る。日本企業にとって、円安はかつてのような利益をもたらしていない。製造業のほぼ4分の1はすでに海外に移転し、かつて密接だった為替レートとの関係も今や破綻している。

 それでも政府・日銀が円安を続けたいと考える理由は、円安が外国人観光客による日本国内での消費(インバウンド消費)を増加させる一方、輸入物価の上昇を通じてインフレを上昇させる一石二鳥の効果を持っているからだ。

 今回が介入だとして、ドル/円は150円台から147円まで円高に動いたあと、即座に149円台まで戻した。ドル/円を押し下げるという意味では効果がなかったように思えるが、日本当局にとっては「大成功」だ。できるだけ緩やかに、そしてできるだけ長い期間、 円安を続けるために過熱防止をするのが目的だからだ。

 

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成