米国高配当株5:コジェント・コミュニケーションズ・ホールディングス(CCOI)
世界最大級のインターネット・サービス・プロバイダーで、9万6,320を超える企業およびネット中心の顧客に対して、高品質のインターネット、イーサネット、コロケーション・サービスを提供しています。
全光IPネットワークにより、51カ国、219以上の市場にサービスを提供しています。
時価総額は31億8,000万ドルで、日本円で約4,100億円となっています(1USD=131円換算)。
事業の注目ポイント
コジェント・コミュニケーションズ・ホールディングスは単一事業で構成されています。
売上高はサービスの提供地域によって区分されており、中心は「北米事業(North America)」で、続いて「欧州事業(Europe)」、「アジア太平洋事業(Asia Pacific)」、「南米事業(South America)」、「アフリカ事業(Africa)」となります。
また、コジェント・コミュニケーションズHDの展開するオンネットインターネットサービスは、自社ネットワークに物理的に接続された施設へのサービスで、100Mbps の高速インターネットアクセスおよびプライベートネットワークサービスで構成されています。
オフネットサービスでは、主に法人顧客向けに他の通信事業者の回線を使用して、ラストマイル部分を提供しています。
競合他社
競合他社として、大企業顧客、中小企業(SMB)、卸売顧客などの顧客にサービスを提供する米国の通信プロバイダーであるフロンティア・コミュニケーションズ・ペアレント(FYBR)、ブロードバンドインターネット、ビデオ、固定電話、およびモバイル通信サービスを欧州の住宅顧客や企業に提供するリバティ・グローバル クラスA(LBTYA)、フィンテック、統合クラウド通信、および従来の通信サービスのグローバルプロバイダーであるIDT(IDT)などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は昨年増配しています。
プラス材料として、北米主要都市のビジネス中心地区における不動産活動の、新型コロナによる悪影響が和らいだため、賃貸活動や労働者のオフィスへの回帰が緩やかながらも改善を続けていることもあり、法人向けの状況が改善してきています。
ただ、もともと業績の変動があまりない銘柄ですので、株価の大幅な上昇を目的として保有するよりは、中長期的に配当を目的として保有するのが望ましい銘柄ではないでしょうか。
業績動向
2022年11月3日開示の四半期決算では、売上は市場予想を上回りましたが、1株利益は市場予想を下回りました。
Sprint(T-Mobile Wireline)の有線部門の買収によって、1株利益が市場予想を下回りましたが、それによる株価への影響はほとんどありませんでした。
オンネットインターネットサービス、オフネットサービスそれぞれの収益を合計すると、前年同期比の水準を上回っており、本業の部分は変わらずしっかりしていることが伺えます。
次回2023年2月23日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
オンネットインターネットサービスを提供するビル数は、着実に増えています。ただ、職場出社の流れが再び逆流するようなことが起きた際には、業績に悪影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。
株価動向、配当利回り紹介
配当:3.66ドル
配当利回り:5.52%
株価:66.19ドル(約8,700円)
この銘柄、権利落ち日は3月上旬の予定(権利実施は3月下旬)です。
配当利回りは2月13日時点で5.52%、株価は66.19ドルでおよそ8,700円から購入できます(1USD=131円計算)。
2020年からの最高値は90.75ドル、最安値は49.18ドルとなっています(終値ベース)。
■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)、『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!
【要チェック】
楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、同筆者が執筆した「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。
また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。