2年8カ月ぶりの外遊を経て党大会に集中する習近平

 5年に1度の党大会まで1カ月を切りました。先週、習近平(シー・ジンピン)国家主席は2年8カ月ぶりに2泊3日の日程で外遊、カザフスタンとウズベキスタンを訪問しました。ロシア・ウクライナ戦争が依然収束しない中、ウラジーミル・プーチン大統領とも会談を行い、連携を続行していく旨を確認し合いました。

 9月16日午後、無事北京に帰ってきた習氏は、ちょうど1カ月後に迫った党大会に向けて、内政に全精力を注ぎこむことになるでしょう。党大会自体は1週間程度ですが、その前後、特に開幕前は中央、地方、議事、人事を含め、現役指導層、高級官僚、党、政府、軍、そして長老などありとあらゆる「大会関係者」との意思疎通に忙殺されます。

 11月15~16日にはインドネシアでG20首脳会議が予定されています。党大会を経た新指導体制における習主席の「初外遊」も注目されます。ジョー・バイデン大統領との、対面では初となる米中首脳会談に向けての準備も行われています。党大会を経て、米中関係はいずこへ。

 9月と11月の外交行事に挟まれる10月の内政。鍵を握るのは後者であり、党大会をうまく乗り切り、新時代を象徴する新政権、その最高指導者として再び北京を飛び立ち、世界全体にその姿をお披露目することができるかどうか。見どころ満載と言えます。