9月の米利上げ幅は0.75%?

 株式市場で不安が高まっているのは、FRBが過度に金融引き締めをして景気をオーバーキル(やり過ぎてだいなしにすること)することです。米長期(10年)金利と短期金利(FF金利)が逆転して、その逆転が長びくようだと、経験則では米景気がリセッションにおちいる可能性が高まります。

 9月20~21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、FRBが0.5%または0.75%の利上げを実施すると予想されています。

米長期金利とFF金利、NYダウの推移:2004年1月~2022年9月(2日)

出所:ブルームバーグ、QUICKより作成

 上のグラフでわかる通り、米長期(10年)金利と短期(FF)金利のスプレッドが急速に縮小しています。9月2日時点で長期金利は約3.2%、FF金利(誘導目標の中央値)は約2.4%で、その差は0.8%です。FRBが9月20~21日のFOMCで0.75%の利上げを実施すると、長期金利とFF金利はほぼ同水準となります。その後さらに利上げを続けると、逆転します。

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