米国高配当株5:デボン・エナジー(DVN)

 石油および天然ガスの探査と生産を行う独立系エネルギー企業です。

 2021年1月、炭化水素探査に特化したWPXエナジーと対等合併を行い、業績は大きく拡大しています。全米企業の総収入ランキングを表す「フォーチュン500」の一社で、S&P500の採用銘柄でもあります。

 時価総額は380億ドルで、日本円で約5兆1,000億円となっています(USD=135円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は2019年のカナダ事業の売却以降、北米の事業(U.S. operating segments)に集中しています。その中で売上の中心は「石油・天然ガス・液化天然ガス事業(Oil, gas and NGL)」で、続いて「市場調査・ミッドストリーム事業(Marketing and midstream)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「石油・天然ガス・液化天然ガス事業」では石油・天然ガス・NGLの探鉱・生産を行っており、「市場調査・ミッドストリーム事業」では石油・天然ガス・NGLの輸送・貯蔵・販売マーケティングなどを行っています。

競合他社

 競合他社として、北米、カナダ西部、イギリスで原油および天然ガスの探鉱・開発・生産を手掛けるカナディアン・ナチュラルリソーシズ(CNQ)や、独立系石油・天然ガス会社であるダイヤモンドバック・エネルギー(FANG)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を上回って推移しています。また、配当は2018年より毎年増配しています。

 資源価格の上昇に伴いデボン・エナジーの株価も上昇してきました。直近、デボン・エナジーの株価は資源価格の影響で下落したものの、自社株買いや、6月8日に「Bolt-On」の買収を発表するなど積極的な事業拡大も好感されたことで株価は少しずつ回復してきています。

業績動向

 2022年8月1日開示の四半期決算では売上・1株利益ともに市場予想を上回りました。

 決算を受けて株価の変動はほとんどなく、その後も堅調に株価は推移しています。

 石油の生産量が増えていることや戦略的に買収を進めていることで業績が拡大しています。

 会社側は、2022年に関して買収費用とインフレによるコスト増を追加でおりこみましたが、それでも業績を上方修正しており今後も堅調な業績が予想されます。

 次回は2022年11月1日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。 

注意点

 石油および天然ガスを取り扱っていますが、石油は天然ガスに比べてCO2排出量が多く、今はインフレもあり環境への注目は以前に比べて低くなっていますが、再び環境への取り組み方が大きく叫ばれた時には業績に影響を与える可能性がある点に注意が必要です。

 また、配当は四半期ごとに変動する点にも注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:4.66ドル
配当利回り:8.10%
株価:57.52ドル(約7,700円)

 この銘柄、権利落ち日は9月9日(権利実施は9月30日)です。

 配当利回りは8月9日時点で8.10%、株価は57.52ドルでおよそ7,700円から購入できます(1USD=135円計算)。

 2019年からの最高値は78.04ドル、最安値は5.22ドルとなっています(終値ベース)。

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