米国高配当株5:シティグループ(C)

 世界160以上の国と地域に約2億の顧客口座を有する世界有数のグローバルな銀行です。

 個人向け銀行業務、クレジットカード、法人・投資銀行業務、証券業務、トランザクション・サービス、資産管理など、幅広い金融商品とサービスを提供しています。

 時価総額は890億ドルで、日本円で約11兆9,000億円となっています(USD=134円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「機関投資家事業(Institutional Clients Group)」で、続いて「個人金融資産管理事業(Personal Banking and Wealth Management)」、「レガシーフランチャイズ事業(Legacy Franchises)」となります。

「機関投資家事業」では、投資銀行業務・プライベートバンク・証券サービスなどのサービスを提供し、「個人金融資産管理事業」では国内リテールサービスや、海外プライベートバンキングサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、銀行の所在地や事務所、インターネット、その他の流通チャネルを通じて、個人、企業、機関に銀行、投資、住宅ローンの商品やサービスを提供するウェルズ・ファーゴ(WFC)、個人・商業銀行、資産管理、投資銀行の多様な商品およびサービスを幅広く提供するバンク・オブ・モントリオール(BMO)、投資銀行業務、金融サービスおよび資産管理を行うJPモルガン・チェース(JPM)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていません。配当は横ばいを維持しています。

 ロシアのウクライナ侵攻以降、シティの株価は下降し、現在低位で推移しています。

 ロシアでの事業リスクや、株価下落に伴うTier1比率の低下など、さまざまな要因により株価が下落しました。

 しかし、配当は横ばいを維持していることから、4%を超える利回りとなった今の水準は魅力的な水準かもしれません。

業績動向

 2022年4月14日開示の四半期決算では売上・1株利益ともに市場予想を上回りました。

 決算を受けて株価はわずかに上昇しましたが、マーケットが下落している影響もあり大きな買いにはつながっていません。

 ロシアのカントリーリスクを受け、投資銀行業務など海外事業の業績が悪化したことで、売上・1株利益ともに前年同期比の水準を下回っています。

 今後は、海外事業が回復することで業績回復・株価上昇が期待されます。

 次回は2022年7月15日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 ロシアとウクライナの状況が長期化するようだと、さらに業績に悪影響を及ぼす可能性があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.04ドル
配当利回り:4.46%
株価:45.69ドル(約6,100円)

 この銘柄、権利落ち日は7月下旬予定(権利実施は8月下旬予定)です。

 配当利回りは6月14日時点で4.46%、株価は45.69ドルでおよそ6,100円から購入できます(1USD=134円計算)。

 2019年からの最高値は81.91ドル、最安値は35.39ドルとなっています(終値ベース)。

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