今日の為替ウォーキング
今日の一言
あなたが現実を飲みこまなければ、現実があなたを飲みこんでしまう
Reelin' In The Years
新型コロナ感染という2年間続いた悪夢がようやく終わりに近づき、世界は少し明るくなるだろうという期待を、ロシアがウクライナ軍事侵攻によって打ち砕いた。
ロシアが非友好国に対して天然ガスや原油などの天然資源を戦略兵器として使用したことで、エネルギー安全保障は世界経済にとってこれまで以上に重要な意味を持つようになっている。「天然資源の武器化」は、地政学だけではなくマーケットを動かす大きな材料となった。
欧州がロシアに経済制裁をしようとしても、エネルギーに関してはロシアの設定した価格や条件に従う「価格追随者」的立場であるため限界がある。EU(欧州連合)は、ロシアに対する天然ガス代金のルーブル払いを「制裁に反していない」と方針変更した。事実上の屈服である。
日本は世界最大のLNG(液化天然ガス)輸入国だ。ロシアからの輸入比率は低いので欧州のような問題に直面することはないが、エネルギー価格の世界的な高騰は日本経済にダメージを与える。エネルギー輸入への依存度が高ければ高いほど、スタグフレーションの脅威は大きくなる。
中央銀行は過去数十年間、エネルギー価格の上昇は家計の可処分所得の減少であると捉えてきた。エネルギー価格の急上昇は消費行動を縮小させるが、その結果、インフレ期待は暴走することなく、安定的に維持されてきたのだ。
しかし、インフレがエネルギー価格にとどまらず、広範な商品に及ぶ現在の状況においては、インフレ期待は逆に不安定になり、1973年に日本を襲ったような、オイルショックによる「狂乱物価」が発生するおそれがある。
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今週の 注目経済指標
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