米国高配当株3:スパルタンナッシュ(SPTN)

 食品卸売業を中心に流通事業を展開している他に、食品小売業では米国のスーパーマーケットチェーンであるファミリーフェア(Family Fare)や、マーティンズ・スーパーマーケット(Martin's Supermarket)などのブランドで、米国内で155以上の店舗を展開しています。

 時価総額は9億3,500万ドルで、日本円で約1,075億円となっています(1USD=115円計算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「食品卸売事業(Food Distribution)」で、続いて「食品小売事業(Retail)」、「米国基地内売店事業(Military)」となります。

「食品卸売事業」では、全米で2,100以上の食料品小売店に商品提供を行っており、2016年からアマゾンに食品を供給しています。「食品小売事業」では、プライベートブランドやナショナルブランドの商品を幅広く取りそろえた店舗を展開しています。

 また「米国基地内売店事業」では、米軍向けの福利厚生の一つであるコミッサリーなどの軍向け流通事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、健康とウェルネスに焦点を当てた、自然と有機食品の専門小売業者であるスプラウト・ファーマーズ・マーケット(SFM)、食品の小売販売に従事する会社であるウエイス・マーケッツ(WMK)、天然・有機・特殊・農産物および従来の食料品および非食品製品の販売業者かつ小売業者サービスのプロバイダーであるユナイテッド・ナチュラル・フーズ(UNFI)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価はコロナ発生以降の高値近辺で推移しており、配当は2011年から毎年連続で増配しています。

 一昨年、コロナ発生により自宅での食事の機会が増えたことでスパルタンナッシュの業績は拡大しました。その後も、インフレによる物価高騰を商品価格に転嫁することで利益率が改善したことや、広告宣伝費の減少によるコスト低下などによって業績は堅調に推移し、それに伴って株価も少しずつ上昇しています。

業績動向

 2021年11月10日開示の四半期決算では、1株利益・売上高ともに市場予想を上回りました。

「米国基地内売店事業」において、海運のサプライチェーンの混乱により売上が減少したものの、「食品卸売事業」・「食品小売事業」それぞれの事業で業績が拡大しており、特に「食品卸売事業」ではインフレが業績拡大の後押しをしています。

 次回2022年2月23日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるかどうかに注目です。

注意点

 人件費および輸送費の増加、ならびに企業管理費の増加が一部業績に悪影響を及ぼしており、今後もコロナの影響でこれらが拡大する懸念があることには注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.8ドル
配当利回り:3.07%
株価:26.01ドル(約3,000円)

 この銘柄、権利落ち日は3月中旬予定(権利実施は3月下旬予定)です。

 配当利回りは2月7日時点で3.07%、株価は26.01ドルでおよそ3,000円から購入できます(1USD=115円計算)。2019年からの最高値は26.27ドル、最安値は8.94ドルとなっています(終値ベース)。