今日の為替トレッキング

今日の一言

成功するためには、天才である必要はないし、先見の明を持つ必要もない。大学を卒業している必要すらない。必要なのはフレームワーク(枠組み)と夢さえあればいいんだ。 - マイケル・デル(デル社創設者))

You Really Got Me

 ほんの数カ月前までは緩和縮小さえ躊躇していたパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長ですが、今では緩和縮小を倍速ペースで進めるだけではなく、利上げも肯定。さらには年内にバランスシート縮小を開始するまで「タカ派」に変身しました。

 マーケットはFRB2022年の利上げを、5回 x 0.25パーセントまで織り込んで動いています。「最大7回の可能性」を予想する米銀も出ています。昨年9月FOMC(米連邦公開市場委員会)の時点ではメンバーの半数しか利上げを予想していなかった。時代は変わりました。

 FRBの金融政策は、雇用安定よりも物価安定を重視する方向に完全に切り替わりました。FRBは完全雇用をほぼ達成したと判断しているので、失業率や就業者数が多少悪化したところで、それは単なるノイズとして片付けられるでしょう。利上げを延期することはない。

 雇用促進とインフレ対策のトレードオフ(失業率を低めようとすれば物価の上昇圧力が強まり、物価を安定させようとすれば失業率が高まる)において、インフレが可処分所得を圧迫し、政策が支援すべき人々にダメージを与えているかどうかが、FRBの判断基準。米国経済はもう十分に回復したので、これ以上流動性を増やすのは適当ではないとの結論に至ったのです。

 FRBは、今年すべての会合で利上げする可能性を否定していない。マーケットはすでに1.25%までの利上げを織り込んで動いていますが、市場が利上げに対応して上手く機能している限り、手綱を緩めるつもりはありません。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成