年始早々、急落に見舞われた世界の株式市場。「トレンドマーケットスクールTOKYO」では、最新の情報とともに、1月11日(火)から14日(金)の株式相場を展望します。

米金融引き締め、米ナスダック・東証マザーズ市場を直撃!

 2022年最初の1週間は4日(火)の大発会で日経平均株価が510円上昇。しかし、6日(木)未明に、米国の金融政策を決める2021年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が発表されると状況が一変しました。

 量的緩和の縮小(テーパリング)や早期利上げだけでなく、米国中央銀行FRB(米連邦準備制度理事会)の「資産(バランスシート)圧縮」という、さらに踏み込んだ金融引き締め策が議論されていたことが判明し、米国株が下落。

 6日(木)の日経平均株価は844円安の急落となりました。

 新型コロナウイルス感染症対策で、FRBの総資産は過去最大の9兆ドル近くまで膨らんでいます。その資産を年内にも減額する意向が示されたことで、金融引き締めに積極的なFRBのタカ派ぶりがあらためて明らかになりました。

 7日(金)に発表された2021年12月の米国雇用統計は、非農業部門新規雇用者数が19.9万人増と予想を大きく下回りました。

 しかし、失業率は3.9%に低下し、平均時給は前月比0.6%上昇と11月の0.4%増から伸びが加速しました。

 失業率が低下し人手不足が深刻化すると、人件費が高騰し物価がますます上昇します。

 そんな懸念から、7日(金)の債券市場では米国の長期国債が売られ、長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時1.8%台まで急騰。

 ハイテク株比率が高く金利上昇に弱いナスダック総合株価指数が週間で4.5%下落するなど大打撃を受けました。

 日本が成人の日で祝日だった10日(月)、米国市場では、米大手投資銀行のゴールドマン・サックスが、2022年のFRBの利上げ回数予想を3回から4回に変更し、早ければ7月に資産圧縮を開始するという見通しを発表。

 米国株は取引終了に向けて戻り歩調となりましたが、続落しています。

 11日(火)の日経平均は、終値でも下げました。

 心配なのは、ナスダック総合株価指数などと同様に金利上昇に弱い新興株です。

 IT企業など株価が割高な新興企業が多数上場する東証マザーズ指数は7日(金)、前週比で10.6%も下落しました。

 マザーズ市場の時価総額1位メルカリ(4385)が10%安、9位のAI(人工知能)関連・FRONTEO(2158)が22%安など、主力株が大きく値を下げました。

 株式市場というのは急落に見舞われると、含み損が拡大した投資家が、利益の出ている株まで投げ売りするため、売りが売りを呼んでさらに急落するもの。

 そうした悪循環が続くことに警戒が必要です。