電力株の投資判断

 原発事業について不透明材料が残っていることを考えると、現時点で、原発事業を有する電力会社に投資するのはリスクが高く、投資は避けた方が良いと思います。

 そんな日本の電力会社ですが、原発事業のリスクから解放されれば、高く評価できます。日本は、送配電ロスが5%しかない、きわめて高効率の送配電網を維持しています。送配電にかかる高い技術力は注目に値します。高圧交流送電では、世界トップとなる技術を有します。

 日本の電力会社が持つ高い発送電技術は、今後、新興国に輸出していく価値があります。ところが、原発事業のリスクに縛られて、思うような海外での事業展開ができなくなっています。とても残念なことと考えています。

 電力株の投資判断は、以上です。ここから先は、未来のエネルギー循環社会をつくるために何が必要か、私見を書きます。

未来のエネルギー源として、人類は何に頼ったら良いか?

 人類は今、主要なエネルギー源を、化石燃料(原油・天然ガス・石炭)に依存しています。ところが、今のペースで化石燃料を使い続けたら、数百年以内に資源が枯渇する可能性があります。そのために、代替エネルギーの開発が必要となっています。

 主要な代替エネルギー源として、以下3つがあります。

【1】太陽由来のエネルギーを活用
【2】地球内部にあるエネルギーを活用
【3】核エネルギーを活用

【1】【2】【3】のどれ1つとっても、人間がとても使いきれない莫大なエネルギー量があります。それを人間が使いやすい電気にうまく変えれば良いわけです。

 ただし、コスト・利便性・安全性すべてを満たし、化石燃料にとって代わることのできる方法が、現時点で見つかっていません。結果的に、化石燃料への依存が続いています。