退場目前、投資に3カ月間だけ必死に向き合う

 実は投資の資金は、むらやんさんが起業する以前に勤めていた完全歩合制の不動産会社で、朝9時から夜11時まで、1年のうち360日は死に物狂いで働いて、贅沢もせずに貯めたお金でした。そんな大事なお金が見る間に減っていく現実を前にして、精神的につらくなり、株投資から足を洗おうと考えたそうです。

 ただ、このとき持っていた株の中で、1株が5分割された株があり、そのうち、4株は最低3カ月経たなければ売れないのが当時のルールでした。

「手仕舞いしようと思っても3カ月間は持っていなければならない。ただ持ち続けるのも苦しい。ならばこの3カ月だけは必死に勉強して、最大限やれることをやってダメだったら退場しようと決意しました」(むらやんさん)

 ここからむらやんさんは、まず株を買う前に値動きの予想を10回立てて、そのうち6回当たれば最低単元で買うことを繰り返しました。そして、段々と値動きの感覚が身についてきたそうです。

「それと自分の予想では『買い』と判断した局面で下がったり、『売り』と判断した局面では上がったりが多かったので、じゃあ同じ局面がきたら自分の予想と逆の投資判断をすればいいかもしれないと思うと、正にその通りになる。そうした経験から、『なんで逆に動くのか?』『それはどんなケースか?』を探り、自分なりの法則を見つけてから、負けにくくなりました」(むらやんさん)

 加えて、想定した値動きにならなかった場合には、買った値段に戻ったときに、いったんは決済するというルールを設定。そうすると損切りも少なくなり、実質負けない取引ができるようになっていったと言います。

「2005年4月から投資をはじめて250万円まで減った資金が、8カ月後の11月くらいには500万円に戻りました。これ以降、月100万~200万円はコンスタントに勝てるようになっていきました」(むらやんさん)

 

「むらやん流」は投資初心者もすぐにマネできる

「これらの方法は投資初心者にも応用できるはずです。投資デビュー前で、投資で損することが怖いと考えている人は、日経平均レバレッジETF(上場投資信託)の最低単元である1単元、まず買うことをおススメしますね。日経平均レバレッジETFは1単元が現在1万8,000円前後という少額でスタートできますし、日経平均株価が仮に1日300円動いても、1単元なので数百円の儲けか、損になるだけです。自分の予想が当たるかどうか、株はこんなもんだという感覚をつかむために、まず取り組んでみてはどうでしょうか」(むらやんさん)

 なるほど、この方法なら株価が乱高下したり、上場廃止の可能性がある単銘柄ではないために、投資初心者も安心して、投資デビューができそうです。

 一方、投資生活が安定してきたかに見えたむらやんさん。しかし、第2の悲劇が待ち受けていたのです。

後編へ続く≫≫

●今回の取材先:むらやん さん

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