複合型で成功、ぽんちよさん、ちーさん

 あと1年後に仮面を脱ぎ、仮面FIREから完全FIREを目指しているぽんちよさん

 社会人1年目から、徹底した節約・倹約と副業で毎月10万円の投資資金を作り、当初は全額を日本株につぎ込んでいた日本株投資派だ。

 並行して副業(自転車パーツのせどり)にも熱を入れた。これで得た利益もすべて日本株へ投入している。

 FIREを目指し始めたのが20代後半で、手取り給与もさほど多くないため、できる限りの手を使って投資に回す資金を増やしていったぽんちよさん。

「投資金額を増やそうと副業に精を出した結果、大きく収入を増やすことに成功し、ある程度まとまった資産もできました」(ぽんちよさん)。

 目標の5,000万円には後一歩だが、FIRE後の生活を見込んで移住・転職した先の企業が楽しすぎる、という、うれしい誤算もあり、YouTuber、ブロガー、投資家、会社員と複数のわらじを履き続けている。

 ちーさんには、子供のころからのお年玉などを、親が貯めてくれていた100万円があった。これを元手に、20歳から日本株式への投資を開始。

 その後、就職すると給与の大半を貯蓄、そして日本株式へも引き続き投資し、資産形成を着実に行ってきた。

 途中、2006年のライブドア・ショックや2008年のリーマン・ショックで痛手を負いながらも、2013年からのアベノミクスの上げ潮に乗ることで、約4年前には資産総額3,000万円まで増やすことに成功。資産のうち元本は2,000万円くらい、投資利益は1,000万円ほどという。

 また、ちーさんが投資を始めた時期は、ネット証券もようやく日本に数社ほど登場してきたころ。現在のように、まだまだ投資環境が整っているとは言えず、取引手数料も高額で、個人投資家が気軽に米国株を買える状態ではなかった。

 その後、ネット証券が広く普及するに伴って取引手数料も徐々に下がり、米国株にも投資するようになったが、日本株を売ってまで米国株に振り替えようとは考えなかった。保有している日本株の利益が出ていたことが大きい。
「そして、配当金が円で支払われたり、株主優待銘柄があるなど、日本株にしかないメリットももちろん魅力です。ただ、資産の分散という視点から2014年以降、新規の投資先は米国株が中心になってきました」(ちーさん)。

 現在は新たに個別株への投資はせず、年200万~300万円ほど投資信託やETF(上場投資信託)へ積立投資しているという。状況に応じて資産比率を検討し、分散していくのは、投資のベストメソッドだ。

複合型で資金作りするメリット

 日本も米国も世界の一部ではあるが、それぞれ違う値動きをすることもある。

 日本株、米国株、新興国株など、投資先をそれぞれ分ける分散投資はもちろんだが、副業や転職、YouTubeやブログなど、FIRE資金の獲得口を複数持っているのが複合型の強みだ。

 いずれが欠けても、その比重を変えてFIRE資金を貯めることができる。