米国高配当株1:ジャナス・ヘンダーソン・グループ(JHG)

 英国に本社を置く、グローバルな資産運用会社です。

 340人以上の運用マネジャーを抱えながら世界中に25の拠点を有し、アクティブ運用に取り組み続け、長年にわたって世界中の投資家にパッシブ運用を上回る投資機会を提供しています。

 時価総額は67億9,000万ドルで、日本円で約7,500億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業収入の内訳は「運用・委託報酬(Management fees)」で、続いて「株主管理報酬(Shareowner servicing fees)」「成功報酬(Performance fees)」「その他報酬(Other revenue)」となります。

事業収入の内訳

出所:ジャナス・ヘンダーソン・グループ決算データより筆者作成

「運用・委託報酬」では、運用する金融商品から受け取る手数料を中心としており、この事業では既に新型コロナウイルス発生前の業績を上回って推移しています。

 また、ジャナス・ヘンダーソン・グループはグローバルな資産運用組織であるため、自社の活動が社会に大きな影響を与える可能性があるとして、ESG(環境・社会・ガバナンス)の原則に沿って、投資活動を行っています。

競合他社

 競合他社として、ブティック投資管理会社に株式投資を行う資産管理会社のアフィリエーテッド・マネジャーズ・グループ(AMG)、中国の富裕層向けに資産管理商品の販売を主たるサービスを提供するノア・ホールディングス(NOAH)、退職、投資管理、従業員福利厚生の3つのセグメントで事業を展開するボヤ・ファイナンシャル(VOYA)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を超えています。

 また、配当は2021年4月29日に以前より6%増額し、四半期で1株あたり0.38ドルにするとの発表がありましたが、それとともに自社株買いの発表も行っています。

 世界的な株高を背景に運用するファンドが好調であることで、業績は好調に推移しており、それに伴って株価も堅調に推移しています。

業績動向

 2021年4月29日開示の四半期決算ではEPS(1株あたり利益)・売上高ともに市場予想を上回りました。

 決算を受けての株価の変動はあまりありませんでしたが、その後、米国の株価上昇に伴いジャナス・ヘンダーソン・グループの株価も上昇しており、既にEPS・売上高については前年同期を上回るとともに、新型コロナ発生前の水準も超えています。

 次回は7月29日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか、注目です。

注意点

 FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング発表によって、ジャナス・ヘンダーソン・グループの株価も大きく影響を受ける可能性があります。業種柄、マーケットの影響を受けやすいため、今後のFRBの動向によっては、株価が大きく変動する可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.52ドル
配当利回り:3.85%
株価:39.42ドル(約4,300円)

 権利落ち日は8月上旬予定(権利実施は8月下旬予定)です(2021年7月19日時点で未確定。昨年を参照)。

 配当は1.52ドル、配当利回りは3.85%、株価は39.42ドルで約4,300円から購入できます(2021年7月16日時点)。

 2018年以降の最高値は41.43ドル、最安値は11.98ドルです(終値ベース)。