バイデン大統領とドル安

 トランプ大統領時代の4年間で、アメリカ社会の分断はこれまで以上に深刻になったといわれています。2021年1月6日、トランプ氏の支持者が大挙して連邦議会に乱入したことは、分断を象徴する出来事として長く米国民の記憶に残るでしょう。

 しかし、分断が深刻なのは政治も同じです。米大統領選挙後の米議会では、共和党と民主党の政治の対極化が進みました。バイデン大統領の政治運営を困難にしているのは、議会における両党の勢力が拮抗していること。米下院において民主党は、過半数を維持していますが、選挙で議席を減らしています。上院の議席は共和党と同数で、紙の差一枚(ハリス副大統領一人)の有利でしかない。

 バイデン大統領はこれから、ありとあらゆる問題において共和党からの攻撃に直面するだけでなく、民主党内部の左派や中道派が満足するような調整役も果たさなくてはいけない。

 バイデン政権は、まずはコロナ対策を最重要課題として取り組み、続いてインフラ投資に焦点を当てると予想されています。増税法案については、年内にインフラ投資とパッケージにして提出される可能性が高い。景気刺激策について共和党は、金額が大きすぎると反対。増税は、規模とその対象範囲で民主党内部をまとめることができるのか。米政治の分断化はドル安です。

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今日の注目通貨

豪ドル/円: 2月の予想レンジ:下は77.88円、上は82.03円

 2月の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は79.96円。79.96円より上ならば豪ドル買い優勢、79.96円より下ならば豪ドル売り優勢。

83.89円 : 2018年 12月 高値

82.83円 : 第4レジスタンス(HBO)
82.50円 : 2018年 09月 高値
82.03円 : 第3レジスタンス

81.24円 : 第2レジスタンス

80.93円 : 2021年 01月 高値  LAST
80.09円 : 第1レジスタンス

79.96円 : ピボット

78.92円 : 第1サポート
78.85円 : 2021年 01月 安値  LAST 
78.67円 : 第2サポート

77.88円 : 第3サポート
77.09円 : 第4サポート(LBO)

76.55円 : 2020年 12月 安値
76.10円 : 09月 安値(09月17日)

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