2.アマゾン・ドット・コム(AMZN):オンラインショッピング首位として、消費需要を効率的に吸収

 2020年10-12月期決算は、前年同期比44%増収、77%営業増益。主力のオンラインショッピングが好調で、市場予想を大幅に上回る着地となった。一方、成長軸として期待されるクラウドサービス「AWS」は前年同期比28%増収となり、競合のマイクロソフトの「Azure」と比べて見劣りする成長率となった。創業者のジェフ・ベゾス氏が2021年7-9月期に退任すると発表したが、今後は執行会長として新製品や新事業に注力するもよう。新CEOは、これまでクラウドサービスをけん引してきたアンディ・ジャシー氏。今後の手腕が問われる。

3.ファイア・アイ(FEYE):サブスクリプションモデルに移行中。収益性改善に期待したい

 2020年10-12月期決算は、5%増収、25%営業増益。12月に発生した大規模なサイバー攻撃を受けて、企業側は警戒感を強めているもようで、会社側はセキュリティをさらに強化する「Mandiant Advantage platform」を立ち上げた。今後の業績拡大ポイントはソフトウエアからのクラウドへの転換。同社は、サイバーセキュリティをソフトウエアベースから、プラットフォームやサブスクリプション型のクラウドベースに移行中。この事業の売上高は、過去3年間で年率22%の成長を遂げた。全体としての増収率はそれほど高くない企業だが、クラウドベースへの移行が営業利益率を上昇させることに期待したい。

4.フィリップ・モリス・インターナショナル(PM):市場環境は厳しいが増益は達成した

 2020年10-12月期決算は、3%減収、16%営業増益。紙巻タバコ等、従来の可燃性品の出荷数量は12%減、IQOS(タバコの代替品)は27%増。2020年通期では4%減収となったが、営業利益は11%増と増益を達成。今後も健康懸念の高まりを受けて可燃性品は厳しい展開が続くが、会社側はIQOS(タバコの代替品)の開発・販売を強化する見通し。