なぜ速い相場上昇に?
コロナ禍下の株高は、幸運も重なって、速やかに上昇しました(図表2)。後講釈を含め、背景を整理します。
図表2:日米株式相場
(1)個人の旺盛なバリュー買い
株式相場を下支え、牽引(けんいん)した主役は個人投資家です。長年の株高に飛び乗れずにいた個人投資家が、新型コロナウイルスによる相場下落を好機と捉え、大挙して参入しました。
(2)コロナ禍ゆえの相場テーマ
コロナ禍はクラウド、テレワーク、医療など今後の成長が長期想定から短期ででき得る産業、企業を出現させました。特に、一獲千金を夢見る資金が中小型テーマ株に大量流入しています(図表3)。
図表3:米人気テーマ業種ETF
(3)空前の金融財政政策
コロナ禍で突然停止させられた経済が底割れしないよう、主要国当局はあらゆる政策を用いると決意を表明し、空前の財政・金融政策を発動(図表4、5)。足りなければ政策追加も辞さない構えです。
図表4:米欧日中央銀行の急激な量的緩和
図表5:米国の財政出動とGDP(国内総生産)ギャップ