米国の原油生産量も減少予定で、原油相場40ドル台定着か

 以下のグラフのとおり、5月に公表された見通しも、6月に公表された見通しも、米国の原油生産量は、来年の春ごろまで、減少するとしています。

図:米国の原油生産量の見通し 単位:百万バレル/日量

出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成

 ただ、減少の程度はやや異なります。5月公表分よりも、6月公表分の方が、減少の程度が、大きいことが分かります。

 6月公表分の見通しは、5月半ば以降、6月初旬にかけて作成されたと考えられます。同様に5月公表分の見通しは、4月半ば以降、5月初旬にかけて作成されたと考えられます。

 どちらの見通しが、高い原油価格を参照して作成されているのでしょうか?マイナス価格を付けた4月20日以降、原油相場が大きな下落を伴わず、上昇し続けたことからも分かる通り、5月半ば以降、6月初旬に作成された6月の見通しの方が、高い原油価格を参照しています。

 にもかかわらず、原油生産量の見通しは、6月公表分の方が弱気です。このことは、3月の原油価格の暴落によって、米国全体の原油生産量のおよそ7割と推計されるシェールが受けたダメージが大きく、回復がまだ先になることを示唆していると筆者は考えています。

 世界の石油消費が見通しよりも引き下がったとしても、OPECプラスの協調減産が、きちんと守られる状況が続き、米国の原油生産量が見通しどおり減少すれば、原油相場は大きな混乱が生じず、年後半にかけて、WTI原油ベースで1バレルあたり40ドル台を定着させる可能性があると、考えています。

[参考]具体的な原油関連の投資商品

種類 コード/
ティッカー
銘柄
国内ETF/
ETN
1671 WTI原油価格連動型上場投信(東証)
1690 WTI原油上場投資信託 (東証)
1699 NF原油インデックス連動型上場(東証)
2038 NEXT NOTES 日経TOCOM原油ブル
2039 NEXT NOTES 日経TOCOM原油ベア
投資信託   UBS原油先物ファンド
外国株 XOM エクソンモービル
  CVX シェブロン
  TOT トタル
  COP コノコフィリップス
  BP BP