5:売買手数料の安いチャネルで買う

 資産クラスごとに信託報酬が安いファンドを選ぶとなると、現実的には、株価指数に連動するインデックス・ファンドを選ぶことになるだろう。

 ここで気をつけてほしいポイントは、投資信託を買うチャネルによって、購入時に掛かる手数料が異なることだ。現在、投資信託という商品は、一物一価ではない。

 ほぼ全ての場合、購入時に手数料が掛からない「ノーロード」のファンドがいいはずだ。ネット証券を通じて買うか、運用会社から直接買うかのどちらかの場合、ノーロードで買えるケースが多い。

 投資信託は、購入時に手数料を払うものではない、ということを常識にしたい。

6:分配金にこだわらない

 現在、残念なことながら、分配金を毎月支払う「毎月分配型」のファンドがよく売れている。

 しかし、毎月分配型は、年一回分配や分配金を支払わない投資信託と比較して、運用自体の期待リターンがプラスなら、税制上損な仕組みだ。また、現実的に、毎月分配型の商品のほとんどが、信託報酬だけで年率1%を超えるので、お金を増やすための運用対象としては不適当だ。

 自分の利益につながる商業的な立場から顧客にアドバイスする不心得なFP(ファイナンシャル・プランナー)は、しばしば「分配金にニーズのある投資家は…」といった前提で、毎月分配型のファンドを勧める余地を作ろうとするが、「分配金ニーズ」に経済合理的なものなど存在しない、と考えておくべきだ。

 自分の手持ちの資金を全て毎月分配型ファンドに投資するのは、まれだろうし、たぶん誰にとっても適切ではない。普通預金その他の、換金しやすくて、安全な資産を別に相当額持っているのが普通だ。だとすれば、課税されて分配金を受け取るよりも、日常の生活費は、預金から必要額を取り崩して使う方が明らかに得だ。

 資産の大半を毎月分配型ファンドに投資して、分配金で生活費その他の経費を賄う形は合理的ではない。現実的には、毎月分配型ファンドを投資対象から除外すればいいし、これを候補に挙げる投資アドバイザーを遠ざけるといい。