米国では、原油の実質的消費量である、製油所への原油投入量が、回復しつつある

 上昇要因の“実態”に、米国の製油所への原油投入量が回復しつつある点をあげました。製油所への原油投入量は、実質的な原油の消費量にあたるため、この値が増加すればするほど、原油在庫のだぶつき感が低下します。

図:米国の製油所への原油投入量 単位:千バレル/日量

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

 米国の原油消費量が回復しつつあります。これは、米国内でガソリンなどの石油製品の消費が回復しつつあることを意味します。

 世界屈指の石油消費国である米国において、新型コロナウイルスの感染拡大によって負った傷が癒えつつあることを印象づけ、世界の石油消費量が回復するムードを強めています。

 長期的な原油価格の動向を考える上で、今後も、新型コロナ起因の材料に注目していくことが重要です。

 以下からは、本レポートの本題である、原油価格の上昇・下落、それぞれに拍車をかける材料となり得る、OPECプラスの動向について書きます。