──たしかにそうですね。で、途中でポートフォリオを見直したとのことですが、どのように?

 大きな変更点でいうと、債券をやめて、すべて株式にしました。

──なぜですか。

 債券は安定性が高いと聞いて選んだのですが、そもそも安全資産として確保している無リスク資産、私の場合は定期預金が一定額あります。 
 だったら、投資分の3万円くらいはもっとリターンを重視してもいいんじゃないかと。

──なるほど。

 あと、投資する地域の配分も変更しています。今は先進国株式が80%、日本株式と新興国が10%ずつです。

──先進国株式の比率が少し増えたわけですね。

 理由は簡単で、世界の株式の時価総額比率に合わせました。

──世界の株式市場の大きさを見ると、日本を除く先進国が全体の8割を占めていて、新興国が1割、日本も1割程度だから、それに準じるということですね。

 はい、そういうことです。世界経済はそうなっているんだから、それに合わせた方が間違いがないんじゃないかと。

──自分なりにアレンジする人もいますよね。先進国より新興国の方が成長スピードが早いはずだから、新興国株式の割合を増やそう、とか。

 自分の考えに自信があるならそれでいいと思います。私はアレンジする能力を持ち合わせていないですからね。かといって、誰か他人の意見に従うのもあまり気が進まない。だったら、世界経済の動向がそのまま反映されるようにしておいた方がいいかなということです。

──なぜ多くの人が自分でアレンジするかというと、人よりいいリターンを得たいからですよね。おぱるさんはそういう気持ちはあまりないのですか。

 いえいえ、思いますよ。でも、そこは労力との兼ね合いじゃないですか。例えばほんのちょっとした努力でリターンが2倍になるなら、私だって努力します。でも、投資においてはそんなことはありえません。
 それどころか、一生懸命努力しても、まったく報われないことすらあります。だったら、ハナから努力するのはやめておこうかなと。世界経済の成長に準じた、ごく平均的なリターンが得られればそれでいい、ということです。

──努力しなくても「平均的なリターン」を得られるのなら、ひとまず投資をした方がいいということですか。

 おっしゃる通りです。投資関連の本には「世界経済は、一時的に後退することはあっても、長い目で見れば成長していく」といったことがだいたい書かれています。
 私自身はそれを実感しているわけではないけれど、たぶん本当なんだと思うんです。であるなら、その波に乗った方がいいかなと、インデックス投資という方法をメインにしました。

──なるほど。では、次回は現在のポートフォリオなどについてお伺いします。

「私の投資スタンスは『大きなことは求めず、できる範囲でコツコツする』。ネットなどを見ているとすごい人もいますが、すごくない人もいるので安心してください。コツコツ気長に頑張りましょう」