供給面はOPECの原油生産量、消費面は米中の石油消費量に注目

 供給面でのトピックは、2018年12月のOPEC(石油輸出国機構)原油生産量が大幅に減少した点です。

図4:OPECの原油生産量 

単位:千バレル/日量
出所:OPECのデータより作成

 

 12月のOPECの生産量は、12月の総会で決定した2019年1月から6月まで行う減産における生産量の上限とほぼ同じ水準です。減産開始前から積極的に生産量を減少させ、減産に取り組もうとしているように見えます。

 一方、消費面でのトピックは、米中貿易戦争の激化で懸念される、米国と中国の石油消費量の推移です。

図5:米国と中国の石油消費量  

単位:百万バレル/日量
出所: EIAのデータを基に作成

 

 米中貿易戦争が激化した2018年後半、消費量世界No.1の米国は高止まりし、No.2の中国は特に年末に消費量が拡大。世界全体の消費量を押し上げることに貢献しました。

 米中貿易戦争激化による世界の石油消費量が減少する懸念ありますが、今のところ米国も中国も、そして世界全体で見ても減少は見られません。

 この堅調な消費量の中、OPECの生産減少が加わり、「供給不足」が生じていると考えられます。