11月18日
「第13次5カ年計画」で汚水処理システム整備、北控水務集団などの追い風に

中国の国家発展改革委員会(NDRC)は11月17日、『第13次5カ年計画』(16-20年)下での汚水処理政策の草案を発表した。それによると、2020年までに日産処理能力を2億4500万トンに引き上げる計画。これは現在比で4900万トンの増加を意味し、BOCIが事前に予想していた4500万トンを上回る規模に設定された。そのための予算は総額5830億元で、前5カ年比では36%の上乗せとなる。BOCIはこうした政策方針が水処理銘柄の支援材料になるとの見方。個別では北控水務集団(00371)をトップピック銘柄としている。

中国政府は今5カ年計画の予算5830億元のうち、全体の27%に当たる1590億元(前5カ年比で35%増)を先進型水処理プラントの建設に投じる計画。ほかに1700億元をいわゆる「黒臭水」(汚染水)対策として用いる。

また、20年までには市/県/鎮という各行政単位ごとに、地方政府が汚水回収システムを整備しなければならないと規定し、汚水処理率の目標値を95%/90%/70%に設定した。ただし、上海周辺の長江デルタ、広東省の珠江デルタ、京津冀(北京・天津・河北)など主力経済エリアに関しては1年前倒しし、19年までの目標達成を目指す。

この草案によると、都市部の汚水処理能力は今5カ年が終わる20年まで毎年、日産980万トンのペースで増加する見込み。この数字はBOCIの事前予想900万トンを上回る。このほか、主要エリアにおける水質改善に向け、既存の処理プラントのうち同4050万トン分のアップグレードを5カ年中に実施する。これは前5カ年の2600万トンを55%上回る規模となる。

また、「地級市」(二級行政単位)以上の都市では、20年までに「黒臭水」の割合を10%以下に抑えるのが目標。うち直轄市や省都などの主要都市では基本的に、17年までに「黒臭水」を無くすとしている。

今5カ年計画において廃棄物処理向けの投資計画が下方修正されたことなどから、マーケットでは環境投資の減速を懸念する声も上がっていたが、今回のNDRCの草案を見る限り、汚水処理投資は向こう数年にわたり、高い伸びを維持する見込み。BOCIはこの点から、廃棄物発電銘柄より、汚水処理銘柄を有力視している。

今5カ年における汚水処理の累積能力の増加ペースは市場の予想通り、一桁台半ばの約5%に減速する見通し(前5カ年は年率9%)。BOCIはこうした中、大手事業者が長期の成長確保に目を向け、積極的にシェア拡大に動くとみている。トップピックは北控水務集団で、処理力の伸びを背景とした抵抗力の強さを評価。同社のシェアが現在の5%から、18年には8%に上向くと予測した。ハイエンドのPPP(官民連携)水処理プロジェクトの獲得においても優位にあるとし、これが新たな成長牽引役になるとみている。