7月18日
全国平均価格が6週連続下落、東部などの豪雨や在庫高止まりが影響

中国国内のセメント平均価格は7月11-17日週まで6週連続で下落。この週は前週比0.2%安の1トン当たり253.42元だった。前年同期比では0.63%高と、前週の同0.2%高に続いて上昇。過去95週間に及ぶ前年同期比での下落局面を脱した。前週比の下落は主に安徽省、四川省中部での製品価格の値下がり(1トン当たり10-15元)によるもの。悪天候を受け、この地域では出荷量が前週を5-20%下回る状況が響いた。ただ、BOCIは7月のセメント累積需要を受け、同月下旬には在庫圧力が後退すると予想。また、華東地域では需要回復を背景に、クリンカー価格が改善に向かうとみている。

BOCIはセメント銘柄の中で、引き続き華潤水泥控股有限公司(チャイナリソーシズ・セメント:01313)をトップピックとしている。同社は16年6月中間決算の大幅減益見通しを発表済みだが、平均販売価格は16カ月連続の下落局面に終止符を打ち、1トン当たり粗利益も4月に底打ちした。BOCIは6月の1トン当たり粗利益について、前年同月比4.7%増の約60HKドルを予測し、過去20カ月連続の下落局面を脱するとみている。また、製品価格の上昇と生産コストの低減で、1トン当たり利益が7-9月期、10-12月期に17.3-68.6%の幅で上向くとの見方。16年下期の純利益に関しては13億-14億HKドルを予想している(前年同期は5億1500万HKドルの純損失)。

7月11日-17日週のセメント価格動向を地域別に見ると、まず華北では北京市と天津市で横ばい。両市では在庫の高止まりや需要低迷が続いた。また、河北省中部では悪天候を受けて需要が縮小したものの、メーカーの協調減産で適正在庫レベルを維持した。一方、東北地域のセメント市況は依然低調。価格は横ばい推移したものの、不動産市場の減速などから需要動向は思わしくなく、うち遼寧省ではセメントメーカーが輸出に活路を見出す動きに出たという。吉林省、黒龍江省ではセメント出荷量が生産量のそれぞれ40-60%、60%にとどまり、在庫の高止まりが続いた。

東部地域のセメント価格は11日-17日週に前週比横ばい。雨季が長引く中、需要、輸送状況ともに低調で、うち豪雨に見舞われた安徽省中部ではセメント価格が1トン当たり10-15元下落した。ただ、BOCIはこの先天候が回復し次第、東部地域では直ちにセメント出荷が持ち直すとみている。

南部および中部地域では、広東省、湖南省のセメント価格が横ばい推移したが、広西チワン族自治区の中部では、降雨の影響で需要が萎縮。生産量に占める出荷量の割合は50-60%にとどまった(広東省では70-80%)。一方、湖北省も豪雨を受けた建設作業の中断で、セメント市場がほぼ全面的に停滞。特に省中部で、セメント価格が1トン当たり20元の落ち込みを示した。また、四川省、雲南省などの南西部でも悪天候や在庫高を受け、価格が下落。陝西省、甘粛省などの北西部では横ばいだった。