4月6日
オンライン販売と機能性製品が好調、16年も2桁増益持続へ

中国のスポーツウエア各社は2015年に好決算を達成し、軒並み前年比2桁増収と20%を超える増益を確保した。BOCIによると、機能性製品の販売増により、セクター全体で利益率が改善。オンライン販売が予想外の急成長を遂げたことで販路が多様化し、売り上げ増に寄与した。一方、各社が製品機能やデザインの向上を目指したため、研究開発費は増加傾向を示した。16年は前年実績の高さから増収ペースが減速するものの、利益率の回復やブランドおよび販路の多様化で純利益は10%台の健全な伸びを示す見込み。BOCIは宝勝国際(03813)と李寧(02331)をトップピック銘柄としている。

15年には相対的に高額な機能性製品の販売増や投入原価の低減により、スポーツウエア銘柄の粗利益率は前年比0.1-0.2ポイント改善した。今後もブランド投資の継続が平均販売価格の上昇や販売数量の伸びを後押しする見込み。BOCIは各社が研究開発を強化していることについて、この先のブランド構築につながる明るいサインと受け止めている。また、15年の営業利益率が10%台半ば-20%台を維持したことに触れ、営業経費は全般に適正範囲にあるとみている。

一方、直近の16年7-9月期向け商談会では、受注伸び率が1-6月期比で減速傾向を示した。前年同期実績の高さに加え、15年10-12月期の既存店売り上げ伸び率の減速が背景。ただ、BOCIは在庫管理の厳格化や新規出店数が限られたことなどを理由に、1桁台後半-10%台前半の受注伸び率は健全との認識。主に製品ミックスの優良化が受注増に寄与したと指摘している。

デジタルマーケティング活動は着実に進化しているが、BOCIは多面的なエコシステムの構築が重要との見方だ。個別に見ると、特歩国際(01368)のオンライン売り上げ伸び率は10%台前半(李寧は8.6%)。特に独占商品や新製品に関して、販路としてのネットの重要性はこの先さらに高まる見通しという。李寧はすでにネット通販の京東(JD.com)やスマホベンダーの小米科技(シャオミ)と提携。さらに361度(01361)は百度(バイドゥ)およびLeTV(楽視)と提携、特歩国際は順豊速運と組むなど、それぞれ物流やスマート製品の強化に目を向けている。

BOCIはまた、プロフェッショナルブランドやライフスタイルブランドとしてのイメージ構築に向けたマルチブランド戦略に注目している。この点で、例えば安踏体育用品(02020)は伊フィラや日本のデサントと提携関係にある。一方、カテゴリー別では特に、子供向け製品が急成長を示しているという。

BOCIは宝勝国際に対する強気見通しの理由として、同社が扱う米ナイキ、独アディダス製品に対する中国国内の力強い需要を挙げた。李寧については業績回復ペースがやや鈍いとしながらも、黒字化路線はすでに明確との見方を示している。