11月25日
銀川-西安の新規プロジェクトを認可、高速鉄道建設目標の大幅上方修正を予想
国家発展改革委員会(NDRC)はこのほど、銀川(寧夏回族自治区)-西安(陝西省)間の高速鉄道建設プロジェクトを認可した。総延長618kmの同鉄道の建設には5年を要する見込み。BOCIは各地方政府が積極的に地元での高速鉄道建設を働きかけているとし、同種のプロジェクト認可がこの先続くとみている。BOCIはまた、中国政府が全国の高速鉄道建設計画を大きく上方修正すると予想。高速鉄道戦略「四縦四横」に沿った従来目標(2008年策定)比で約2倍に引き上げられる見通しに言及し、高速鉄道需要が市場予想を大きく上回る可能性を指摘している。さらに、ハンガリーとセルビアを結ぶ新規の鉄道建設プロジェクトに見られるように、中国は対外発展戦略「一帯一路」に積極的に取り組んでおり、海外事業も有望。BOCIは鉄道セクターに対する強気見通しを継続し、個別では株洲南車時代電気(03898:CSRタイムズ・エレクトリック)をトップピック銘柄としている。
銀川-西安高速鉄道は総投資額805億元で、うちプロジェクト資本が50%。このうち37%分を地方政府が負担する。BOCIは自社の予想通り、NDRCがまたも重要プロジェクトを認可したと指摘し、16年の高速鉄道需要が市場予想を上回ると見通している。
中国政府は現在、国内の高速鉄道戦略を見直しているもよう。BOCIは地方政府の旺盛な誘致意欲に言及した上で、16年6月にも発表される新たな建設目標が08年比で倍増すると予想。ポジティブサプライズとなる可能性を指摘している。
一方、中国は海外でも鉄道開発事業への関与を強めている。ハンガリー、セルビア両国の首都を結ぶ鉄道に関してはすでに契約を締結済みで、中国が所要資金の85%を融資する。総投資額は約340億元で、総延長は374km。鉄道速度は時速160kmとなる見込み。工期は2年で、17年末をめどに開通する見通しという。建設請負業務に関しては国際入札が行われるものの、BOCIは中国企業が受注する可能性が高いとみている。
このほか、タイでは総延長約800kmの鉄道プロジェクトが16年上期に着工する見込み。中国はさらに、シンガポールや米国といったその他の海外高速鉄道プロジェクトにも名乗りを上げているという。BOCIは「一帯一路」関連の鉄道建設事業が16年第2四半期にも幕を開け、16年下期以降に本格化すると予想している。
BOCIは鉄道セクターに対して強気。インフラセクター全体では16年に前年比16%の成長を遂げ、多くの他セクターをアウトパフォームすると予想。インフラ銘柄は数少ない有力な投資選択肢の一つになるとしている。また、鉄道は国家戦略「一帯一路」との関連性が深く、この点も強み。業種別では鉄道建設より、車両製造部門を有力視し、個別では株洲南車時代電気のほか、中国中車(01766)、中国鉄建(01186)、中国鉄路通信信号(03969)の株価の先行きに対して強気見通しを示している。