6月10日
次期5カ年も環境重視の政策方針を継続、関連銘柄の追い風に
「第13次5カ年計画」(2016-20年)下での環境保護業界の発展に関する諮問会議が6月9日、北京で開かれた。中国環境発展国際合作委員会(CCICED)と国連環境計画(UNEP)が共同主催した同会議を受け、BOCIは環境保護政策を継続する中国政府の確固たる姿勢を指摘。これが関連銘柄の追い風となる見通しを示した。環境銘柄はこのところ、弱気相場の下でさえない値動きとなっているが、BOCIは調整局面が買いチャンスにつながると受け止めている。
中国政府は次期5カ年期間中も、環境保護を重要政策課題とする見通し。同会議の席で張高麗副首相が述べたところによれば、政府は次期5カ年計画の策定において環境政策の持続を最優先させる方針。指導部としては、環境保護と経済発展のバランスを取ることが長期の国益につながるとの認識という。『People.cn.』の報道によると、次期5カ年計画の草案は16年3月にも国務院に上程される予定。BOCIは16年前半に予想される草案発表が、環境セクターの支援材料になるとみている。
環境保護部の陳吉寧部長は15年年初の環境保護法の施行や4月の「水質汚染防止行動計画」の発表を背景に、国内環境業界の成長が15年に加速する見通しを示している。また、深刻な環境破壊行為に対する地方当局者の責任(刑事罰の対象となり得る)を明確化したことで、実際に監督管理の強化が期待できると指摘。次期5カ年もこうした政策措置を継続する方針を示した。
個別銘柄に目を向けると、緑色動力環保(01330)はごみ処理発電市場に参入した成長途上の事業者であり、BOCIは同社の成長性を前向きに評価している。今後は各地方政府との協力関係や親会社の支援が良質プロジ
一方、中滔環保(01363)は工業廃水処理(IWWT)市場で存在感を強めており、BOCIによれば、14-17年のEPS伸び率は年平均32%に達する見込み。当初の繊維工場から廃水処理対象を多様化させる中、今後は買収を通じて事業規模を拡大する見通しという。BOCIは政府による工業廃水規制の強化を指摘し、IWWTサービス需要の力強い伸びを予想。地元広東省以外への事業エリアの拡大を見込み、15年下期には省外でのプロジェクトの獲得が支援材料となる可能性を指摘している。
中滔環保は6月9日、盈隆WWTプラントの株式5%を2800万元で追加取得し、全額子会社化すると発表した。盈隆の処理能力は1日当たり250キロトン。中滔環保が経営権を取得してから、盈隆の設備稼働率は46%(12年)から95%(14年)に大きく上向き、赤字プロジェクトの採算性を改善させる中滔環保の手腕を示す形となった。