2015年入りとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は大発会からの2日間で大きく下落し、節目の17,000円台を割り込むスタートとなりました。 その後は1月7日に16,808円で下げ渋りを見せた後、翌8日は前日比で280円超上昇して17,000円台を回復、5日移動平均線の水準まで戻してきました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(1月8日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

もう少し細かく見て行きます。下の図2ですが、図1と同様に直近の日経平均(日足)のチャートです。 以前にも紹介しましたが、昨年12月中頃から後半にかけての反発局面で形成した「三空踏み上げ」で空けた窓を、年を跨いだ急落によって埋めた格好です。さらに、昨年の後半からは急落後に急反発する展開が多く、日経平均が早い段階で17,000円台を回復した足元の上昇は、反発の兆しと考えることができそうです。

(図2)直近の日経平均(日足)の動きと、「三空踏み上げ」の窓埋め

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

実際に、1月9日の取引は一段高でスタートしました。昨年12月の相場展開と同様に、このまま戻りを試す局面入りへの期待も高まりそうですが、もしかしたら慎重スタンスの継続が無難なシナリオかもしれません。

というのは、急落から急反発に転じる時点でのローソク足の並び方が気になるからです。下の図3は昨年12月に見せた状況と、足元の状況を比較したものです。

(図3)急落から反発に転じるタイミングでのローソク足の並び方の比較

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

左側が昨年12月の状況です。急落から反発に転じる際、底を打ったローソク足が離れ小島のように取り残されています。これは、「アイランドリバーサル」と呼ばれる典型的な底打ち反転のサインです。そしてその後も順調に戻りを試す展開となりました。

そして、右側が足元の状況なのですが、1月6日に窓を空けた大きな陰線の後、翌7日は陽線ながらも上ヒゲの長い「あて首線」が出現しています。さらに、8日のローソク足も同じく陽線ですが、6日の陽線に対して窓を空けておらず、やや変則的な「下放れタスキ」と呼ばれる格好にも見えます。「あて首線」、「下放れタスキ」はともに売りのサインとなることが多いパターンです。そのため、昨年12月の時ほど戻りの勢いが出ない、もしくは再び売りに押される可能性には注意が必要となりそうです。