衆議院選挙を終えて迎えた今週の国内株市場ですが、与党勝利による「ご祝儀相場」とはなりませんでした。原油価格の下落をきっかけとした世界的なリスクオフムードに押され、日経平均は週初の2営業日で軟調な展開が目立ち、節目の17,000円台を下回る推移が続きました。ちょうど前回、サブシナリオとして想定していた調整継続の格好です。

下の図1は直近の日経平均の動きを示したチャートです。水曜日(12月17日)に下げ渋りと反発を見せました。直近安値(10月17日の14,529円)から、直近高値(12月8日の18,030円)の上昇幅の「3分の1押し」水準を下回ったことで、値頃感が意識されて買いが入ったと思われます。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(12月19日寄付直後)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

続く木曜日(18日)も、リスクオフムードの巻き戻しの流れを受けて一段高となりました。とはいえ、先週の12月SQ値(17,281円)が上値を抑えていたため、少し心配でしたが、翌金曜日(19日)の取引開始直後も急騰を見せたことで、このSQ値とその先の25日移動平均線を超えてきました。

また、ローソク足に注目して見ますと、火曜日と水曜日のローソク足が離れ小島のように取り残されているように見え、底打ち反転のサインとされる「アイランドリバーサル」のような格好です。こうした一連の動きからすると相場の基調は悪くはないと言えます。

今後の日経平均の展開についてですが、25日移動平均線との関係に注目しています。

(図2)日経平均(日足)と移動平均(25日)乖離率のチャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2は、上段が日経平均日足チャートと25日移動平均線の推移、下段は日経平均と25日移動平均線との乖離率の推移です。図からもわかるように、ここ9カ月間の日経平均の動きは概ね25日移動平均線からプラスマイナス4%以内に収まっており、実際に日経平均が下落し、25日移動平均線からのマイナス乖離が4%付近まで行くと底打ちすることが多いようです。足元でも同様のタイミングで反発しています。

底打ちのタイミングは共通点があるものの、異なるのは日経平均が底を打ち、25日移動平均線まで値を戻した後の値動きです。図にもあるように、もみ合いながら日柄調整していくパターン、堅調に上昇していくパターン、急上昇していくパターンとまちまちです。今回がどのパターンになるのかは19日以降の動き次第ではありますが、いずれのパターンになるにしても、その後約1カ月程度はその傾向が続くようですので、注目したいところです。