今週の国内株市場ですが、週初の取引時間中に日経平均がついに18,000円の大台に乗せる場面があったものの、その後は急落が続きました。12月11日の取引では、安値が17,043円となり、一時は17,000円台割れが意識される場面もありましたが、終値では17,257円まで戻してきました。「下ヒゲ」の長いローソク足が下落局面で出現し、押し目買い意欲の強さが感じられます。

また、今週末(12月14日)は、いよいよ衆院選の投開票日ですが、日経平均が「消費増税見送りと解散総選挙」観測を織り込んで上昇しはじめたのが11月11日の後場からでした。この日の終値が17,124円でしたので、ちょうど1カ月前の水準まで調整してきたことになります。翌12月12日の取引も反発でスタートしており、目先の調整が一巡し、戻りをうかがう展開の印象です(図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(12月12日寄付直後)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

下の図2は、期間を長くとった日経平均(日足)のチャートです。いくつかのトレンドラインが見えますが、10月前半に見せた急落後の急反発で、トレンドライン①の軌道に戻した格好だったのですが、足元の急落により再び乖離し始めました。そのため、10月と同様に、早い段階でのトレンドライン①、チャネルライン②のレンジへの復帰が、相場の勢い持続、戻りの目処のポイントとなりそうです。

(図2)日経平均(日足)のチャート(12月11日終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

とはいえ、少し気掛かりな点もあります。下の図3は、12月11日取引終了時点の日経平均の週足チャートです。直近のローソク足の組み合わせは前週のローソク足を包み込む格好となっており、いわゆる「抱き線」となっています。株価が高いところで出現すると「最後の抱き線」と呼ばれ、下落転換のサインとなることが多いです。実際に図3でも、このパターンで下げに転じている場面が散見されます。

(図3)日経平均(週足)のチャート(12月11日終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

前週のローソク足の始値が17,475円ですので、12月12日の終値がこの値段を上回れば、ひとまず抱き線にならずに済みますので期待したいところです。また、選挙結果等を受けて上昇に弾みがつく展開になるとの見方も多いですが、このまま抱き線となった場合、調整が長引く展開もサブシナリオとして想定しておいた方が良いかもしれません。