今週の日経平均ですが、ご存知の通り、早いピッチで下げる場面が目立っています。日足の一目均衡表で見ても、前回、警戒していました「三役逆転」が実現してしまいました。
(図1)日経平均(日足)の一目均衡表
とはいえ、ローソク足の並び方に目を向けると、やや変則的ですが、連続して「窓」を3つ空ける「三空叩き込み」と呼ばれる格好となっています(下の図2)。「三空叩き込みに買い向かえ」という相場格言にもある通り、上昇転換のサインとなることが多く、さすがに窓空け3つは売られ過ぎだろうという考え方が背景にあります。また、10月16日のローソク足は下ヒゲが長くなっています。下値をつけた後に買い戻された形です。陽線で終われれば良かったのですが、ひとまずは底打ちサインとして期待できると言えそうです。
(図2)直近の日経平均(日足)チャートと「三空叩き込み」
となると、次に想定しておかなければならないのは、①「反発したとしてどこまで戻せるか」、②「再び売られることはないのか」の2点になります。まずは、①、②ともに戻りの勢いを確認する必要がありそうです。前回、「一目均衡表の三役逆転が実現した場合、中期的なトレンドも怪しくなる」と述べましたので、週足チャートを見てみます(図3)。
(図3)日経平均(週足)チャート
ここでは、週足の52週移動平均線に注目してみたいと思います。52週線は約1年の値動きの中心線ですが、現在はここを下回っている状況ですので、まずは52週線を早期に回復できるかが目先の戻りの勢いのポイントになります。10月16日終了時点では15,092円です。ここを回復できれば、一目均衡表(日足)の雲下限が次の戻りの目標となりそうです。
ちなみに、図3のチャートの下段では移動平均乖離線を示しています。現在の株価が移動平均線からどのくらい離れているのかを表している線です。100%を上回っていれば上方乖離、下回っていれば下方乖離です。足元の乖離は97.65%(-2.35%)で下方乖離となっています。4月の第2週に96.25%(-3.75%)をつける場面がありましたが、その水準までは乖離が進んだとしても想定内と言えそうです。
また、日足では三役逆転となった一目均衡表を週足でも見て見ます。週足では、転換線が基準線を下回っておらず、遅行線もローソク足より上に位置し、株価も雲の上限に少し食い込んでいますが踏ん張っている状況のため、三役逆転のサインは今のところ見られません。ただ、日経平均の戻りに勢いが出なかった場合、再び売りに押され、雲の下限が下値のメドとして意識される可能性があります(図4)。
(図4)日経平均(週足)の一目均衡表