今週の国内株市場ですが、日経平均は先週末の米雇用統計を受けて大幅な株高・円安で反応した米株市場の流れを受けて、大きく反発してスタートしましたが、その後は軟調な展開が続いています。前回、売り優勢のサインなので注意したいと紹介した「入り首線」の影響が効いていると思われます。
(図1)直近の日経平均(日足)チャート
日経平均は10月9日の終値で節目の15,500円を下回ってしまいましたが、足元では75日移動平均線が意識されているようにも見えます(下の図2)。前日(8日)はこの75日線が下値のメドとなっていましたし、少し過去に遡っても、8月上旬に75日線を一瞬割り込んで以降、反発局面入りとなっています。75日線は約3カ月間の値動きの中心線ですから、中期的なトレンドが崩れていなければこのタイミングで買いを入れても良い「押し目」ということになります。
(図2)日経平均(日足)チャート
さらに、10月8日と9日のローソク足の組み合わせに注目してみますと、8日の陽線を9日の大き目の陰線が包み込んでいるような格好となっています。この組み合わせは「抱き線(包み線)」と呼ばれ、このサインが出るとトレンドが反転することが多いとされています。やはりここが買い場なのかというと、もう一歩踏み込んでみたいと思います。これまでにも登場したローソク足の合成です。
(図3)抱き線(包み線)の組み合わせ
陽線と陰線の組み合わせ次第で大分印象が変わります。右側の陰線を陽線が包むパターンに比べると、今回の左側のパターンは弱い線のように見えます。ですので、翌10日のローソク足が高く始まれば打診買い、安く始まれば押し目は見送りというのが良さそうです。
最後に中期のトレンド判断として一目均衡表でも確認してみます。
(図4)日経平均(日足)の一目均衡表
以前、下落から上昇トレンドへの転換サインと、「三役好転」を紹介しました。以下、ざっくりおさらいします。
- 転換線が基準線を上抜ける(均衡の好転)
- 遅行線が株価を上抜ける(遅行の好転)
- 株価が雲を上抜ける(三役好転)
①~③の順番で出現すると強いサインと言われていますが、今回はこの逆のパターン、上昇から下落トレンドへの転換サインとなります。「三役好転」の反対は「三役逆転」と言います。
- 転換線が基準線を下抜ける(均衡の逆転)
- 遅行線が株価を下抜ける(遅行の逆転)
- 株価が雲を下抜ける(三役逆転)
上の図4では、①と②が同時に出現しており、③が実現すると中期的なトレンドも怪しくなってきます。8月上旬の下落時は雲の下限で踏みとどまりましたので、今回も踏ん張りに期待したいところです。