10年本決算は36%増益、廃水流出事故で税率上昇へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02899 紫金鉱業集団股フン有限公司(ズージン・マイニング・グループ)  6.20 HKD
(04/01現在)
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紫金鉱業集団の2010年12月本決算は、純利益が前年比36%増の48億1000万元と、BOCI予想およびコンセンサス予想を約3%下回った。売上高は同38%増の278億元。粗利益率が前年の32.5%から34.3%に上昇し、粗利益は前年比45%増の95億3000万元に達した。EPSは前年を38%上回る0.33元。同社は1株当たり0.1元の期末配当を予定しており、配当性向は30%となる。BOCIは決算内容が全般にほぼ予想通りだったとし、特にサプライズはなかったとしている。

同社経営陣は2011年の各種金属生産量がほぼ前年並みとなる見通しを明らかにした。BOCIは2012年まで、ほぼ横ばい推移が続くとの見方。経営陣は複数の鉱山開発プロジェクトが進んでいるとした上で、1-2年以内に生産量が大きく増える見通しを示したが、BOCIはスケジュールが不透明であるとし、現時点では新規プロジェクトを同社の利益見通しに織り込んでいない。ただ、今後これらのプロジェクトを反映させた場合、予想値を上方修正する可能性に言及している。

昨年7月に廃水流出事故を起こした後、福建省政府は同社を「ハイテクノロジー/ニューテクノロジー企業」の認定リストから除外した。これに伴い課税優遇の対象から外れ、同社の税率はこれまでの15%から25%に上向く運びとなった。BOCIは税率の上昇や生産コストに関する想定値を反映させる形で、11-13年の予想純利益を7-10%下方修正。投資家が買収活動の先行きを懸念している点に触れながらも、同社株価が廃水事故に絡む訴訟を嫌気した売りで、年初から14%調整したことを指摘した。目標株価を引き下げる一方、同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。