10年本決算は85%減益、負債比率の上昇や石炭価格の高騰が懸念材料

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01071 華電国際電力(フアディエン・パワー・インターナショナル)  1.58 HKD
(04/01現在)
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華電国際電力の2010年12月本決算は、売上高が前年比24%増の452億元、純利益が同85.3%減の1億6990万元だった(EPSは0.025元)。純利益はBOCI予想を35%下回る一方、コンセンサス予想(2億7100万元の純損失)を上回る水準。1-9月期に3億4800万元の赤字を計上した後、10-12月期に黒字に転じた。BOCIは◇福新能源の株式2.5%の売却益2億5500万元◇華電煤業集団の株式3.3%の売却益4億6200万元◇熱供給会社6社の買収に伴う6億元の利益――など一回性利益の計上を見込み、事前に黒字化を予想していたが、それでも通期利益はBOCI予想に届かなかった。減価償却費の前年比9.8%の増加や法人所得税額の15.1%の増大などが利益下押し要因となった。なお、10年通期は配当を見送る方針。

同社はガス火力発電、水力発電、風力発電など、代替エネルギー分野への多角化を目指している。10年期末の発電容量は前年比15.3%増の27.4ギガワット(GW)に達したが、うち1.3GWは風力発電で、ほかに水力発電(811メガワット=MW)の建設が進行中。11-13年には全体で6.9GW相当の新規施設が稼働を開始する見通しという。同社はまた、今年から石炭火力発電部門で新規施設の大型化を進めており、この方針は石炭消費の効率化や発電量の大幅な伸びにつながる見込み。BOCIは同社の11年通期の正味発電量について、前年比27.8%増の1665億キロワット時(kWh)を予測している。

一方、10年期末の純負債比率は前年を85ポイント上回る393%と、引き続き同業銘柄の中で最も高い水準となった。設備投資が高水準にとどまる見通しなどから、11年末にはさらに527.5%に上向き、過去最高に達する見込み。純負債は前年の859億元から1140億元に膨らむとみられている。

10年通期の営業利益率は前年比で7.9ポイント低下し、3.8%にとどまった。また、純利益率は前年を2.8ポイント下回る0.4%。BOCIは標準型発電用炭価格が11年に前年比6%高の1トン当たり850元に上向く見通しを示しながらも、営業利益率が8.1%に改善すると予想している。ただ、財務コストの増大が重しとなり、純利益率は0.2%へさらに低下するとの見方。BOCIはこの先年末までに3回の利上げ(各0.25%ずつ)を想定している。

BOCIは同社の11年予想純利益を4%下方修正し、3億5300万元に設定。12年については予想値をほぼ据え置いた。また、石炭価格の上昇に対して敏感な体質や利上げ観測などから、同社のリターンが引き続きセクター平均を下回ると予想。11-12年のROE(株主資本利益率)については2.2-2.6%となる見通しを示した。同社の現在株価は11年PERで26倍、PBR(株価純資産倍率)で0.6倍の水準。BOCIは目標株価を引き下げるとともに、同社株価の先行きに対して慎重見通しを継続している。