10年本決算は予想を上回る29%増益、水力発電部門が成長に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02380 中国電力国際発展有限公司(チュウゴクデンリョクコクサイ)  1.66 HKD
(03/31現在)
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中国電力国際の2010年12月本決算は、純利益が前年比28.5%増の6億6690万元(EPSは0.13元)と、BOCI予想およびコンセンサス予想を34%上回る水準に達した。売上高は同32.7%増の146億元。年間配当は1株当たり0.045元の予定で、配当性向は34.5%となる。通期の純利益が予想を上回ったのは、主に09年10-12月期に買収した五凌電力が通期フルに寄与し、3億7450万元の売り上げを計上したため。また、燃料コストが83億元と(BOCI予想は86億元)、相対的に低水準に抑えられたことも一因となった。ただ、五凌電力の寄与により、法人所得税の納税額が前年の2300万元から3億8000万元に急増。この点が同期の最終利益を圧迫した。

同期には2.5ギガワット(GW)の水力発電能力が新たに加わり、権益持ち分換算の発電容量は期末に前年同期比4.6%増の11.5GWに達した。11-13年には湖南省、貴州省、四川省で計1.8GWの水力発電所が稼働を開始する見通しであり、今後は同社の発電容量に占める水力の割合が拡大する見込み。また、四川・湖南省、新疆ウイグル自治区における189メガワット(MW)、220MWの水力発電所開発計画も、すでに当局の認可を取得した。BOCIは同社の11年末の発電容量が、前年同期比14.8%増の13.3GWに達すると予測している。

10年通期の燃料調達コストは前年比16.3%増の83億元で、単位燃料コストは同10.3%増(BOCI予想は14.3%増)の1MWh当たり235.7元だった。同社の単位燃料コストの増加率は同業銘柄の中で最も小幅にとどまったが、BOCIはコスト管理に成功したというより、前年実績の相対的な高さが影響したとの見方(09年に燃料コストが前年を上回ったのは同社だけだった)。11年の単位燃料コストについては前年比4%増を見込み、その理由として安徽省、河南省の発電所が坑口取引(炭鉱での直接購入)に依存していることを上げた。発電用炭のスポット価格と契約価格との格差が広がる中、同社の価格交渉力が後退するとみている。

BOCIは11年の利益見通しをほぼ現行水準に据え置き、予想純利益を6億2800万元とした。一方、12年については5%上方修正し、7億8000万元に設定した。発電容量の増加に伴い、水力発電の利益寄与の伸びが見込まれることが理由。これに伴い、ディスカウント・キャッシュフローに基づく同社目標株価をやや引き上げ、株価の先行きに対して中立的な見方を継続した。