10年本決算は32%減益、石炭調達コストの大幅増が利益圧迫

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00902 華能国際電力(ホアネン・パワー・インターナショナル)  4.50 HKD
(03/31現在)
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華能国際電力の2010年12月本決算は、売上高が前年比36%増の1043億元に達する一方、純利益が同32%減の33億元(EPSは0.28元)にとどまった。純利益はBOCI予想を14%、コンセンサス予想を15%下回る水準。主に◇石炭調達コストが前年比51%増の679億元に膨らんだ◇新規の発電施設が利益に寄与するというより、逆に負担となった(財務コスト9億7900元)――点が利益を押し下げた。年間配当は1株当たり0.20元の予定で、配当利回りは5.1%となる。

同社の総発電容量は11年3月末時点で前年同期比10.1%増の5万4402メガワット(MW)。権益持ち分換算では同10.9%増の5万935MWに達した。10年通期に新たに加わったのは、超臨界圧石炭火力発電機3基(甘粛省2基、福建省1基で各600MW)。11年には発電容量が計48ギガワット(GW)増える予定で、現在のところ開発計画は予定通り進行している。BOCIによれば、11年の総発電量は経営陣の計画通り、前年比22.6%増の3150億kWh(キロワット時)に達する見通しという。

10年には石炭調達コストの前年比51%の増大が利益圧迫要因となった。10-12月期の単位燃料コストは石炭スポット価格の上昇を受け、前四半期比2.3%増、前年同期比18.2%増となる1メガワット時当たり254.28元。通期の単位燃料コストは前年比14.7%増の同247.5元で、営業利益率は前年を3.7ポイント下回る8.3%に後退した。同社は石炭価格の高騰に対して非常に敏感であり、BOCIは11年も利益率の改善には期待しにくいとの見方。11年の営業利益率は7.8%へ一段と下向くとみている。石炭所要量は11年に1億2700万トンに達する見通しだが、同社がこれまでに長期契約ベースで確保したのは43%に当たる5470万トン。また、経営陣は1-3月期の石炭契約価格の履行率が90%に達したと述べたが、BOCIはスポット価格が上向くにつれて契約価格との格差が広がり、石炭生産者が契約価格の引き上げに動く(履行率が低下する)可能性が高いと指摘。11年には同社の単位燃料コストが前年比8%増大すると予測している。

同社の純負債比率は10年期末に前年同期を32ポイント下回る212%に低下した。ただ、負債比率の低下は、昨年12月にA株15億株、H株5億株規模の第三者割当増資を実施したことで自己資本基盤が拡大したため。純負債額そのものは前年の1237億元から1324億元に増大した。同社は11年に193億元、12年に202億元の設備投資を予定しており、BOCIは11年の純負債比率が248%に上向くとみている。

BOCIは11年、12年の予想純利益をそれぞれ18.2%、15.2%下方修正し、36億元、44億元に設定した。また、同社の11年のROE(株主資本利益率)がセクター平均の8.5%を下回る6.6%にとどまると予想。目標株価を引き下げ、株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。