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銘柄コメント:小野薬品工業
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

銘柄コメント:小野薬品工業

2016/10/7
今回は、先週の続きです。諸般の事情で短くなりましたが、ご了解ください。10月5日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会で、「高額な薬剤への対応について」という議題が討議されました。
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本レポートに掲載した銘柄

小野薬品工業(4528)

小野薬品工業

1.特例によるオプジーボ薬価引き下げがほぼ決まった模様

今回は、先週の続きです。諸般の事情で短くなりましたが、ご了解ください。

10月5日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会で、「高額な薬剤への対応について」という議題が討議されました。ここで小野薬品工業の「オプジーボ」の特例による薬価引き下げが事実上決まった模様です。厚生労働省のウェブサイトに掲載されている中医協薬価専門部会の資料と各種報道によると、以下の様に推定されます。

  • 今年度中にオプジーボの薬価を引き下げ、2017年4月に実施か。
  • 薬価引き下げ率は最大25%だが、おそらく25%。
  • 2018年4月に行われる定例の薬価引き下げの際にもオプジーボの薬価引き下げが予想される。

これらのことは、先週の楽天証券投資WEEKLYで指摘したことと概ね一致します。

5日の中医協薬価専門部会では、期中の特例による薬価改定について製薬業界側から反対意見があったものの、市場が急拡大しているオプジーボの様な高額な革新的医薬品に対しては、緊急措置が必要ということになりました。

具体的な薬価引き下げの基準は、年間販売額1,000億円以上、当初予測の10倍以上の医薬品を対象として(オプジーボのみが対象となります)、特例市場拡大再算定にそって最大25%引き下げとなった模様です。議論の中では、(特例)市場拡大再算定、用量用法変化再算定、効能変化再算定の3つの薬価引き下げ方法が検討されましたが、用量用法再算定と効能変化再算定は採用されず、市場拡大再算定と特例市場拡大再算定の折衷案となった模様です。

また、前提となる年間販売額は、「企業の自主公表額等(平成28年度予想販売額等)を最大限活用することで対応してはどうか」という意見が出されており、この場合は小野薬品の2017年3月期会社予想の1,260億円を元に薬価引き下げ率が決まることになります。ただし、この点(販売額をどう決めるか)は今後議論になるようです。

<参考>

市場拡大再算定:予想年間販売額の2倍以上、かつ、年間販売額が150億円超、または、予想年間販売額の10倍以上、かつ、年間販売額が100億円超の場合に最大25%引き下げる(2番目の要件は原価計算方式の場合のみ)。

特例市場拡大再算定:年間販売額が1,000億~1,500億円、かつ予想販売額の1.5倍以上となる製品は、薬価を最大25%引き下げる。または、年間販売額が1,500億円超、かつ予想販売額の1.3倍以上となる製品は、最大50%引き下げる。

2.オプジーボの薬価が25%引き下げなら来期は増収増益か

先週の本稿で指摘したように、用量用法再算定が適用されると、55.6%という大きな引き下げ率となってしまい、この場合、来期は小野薬品全社で減収減益となると思われます。今回のように事実上特例拡大再算定が適用されるとなると、前提となるオプジーボ売上高が2017年3月期は1,000~1,500億円の範囲に収まりそうなので、最大25%引き下げ、おそらくは25%引き下げとなると思われます。この場合、来期は増収増益が予想されます。

最終的な結論は今後の議論で決まりますが、オプジーボ薬価引き下げの大まかな方向性は決まったと見てよいと思われます。

また、2018年4月の定例の薬価改定の際にもオプジーボの薬価引き下げが予想されます。これは、適用拡大による投与者数増加によって、オプジーボの売上高が拡大するためです。2017年3月期~2019年3月期の業績試算の詳細は先週の本稿を参照してください。私の試算では、オプジーボの薬価引き下げ率を2017年4月25%、2018年4月38%(即ち、2年間で半値になると前提)とし、新規投与者数を2017年3月期10,450人、2018年3月期15,220人、2019年3月期22,220人とすると(今のメラノーマ、非小細胞肺がんに加え、腎細胞がん、頭頸部がん、胃がんなどが加わる)、オプジーボ売上高は、2017年3月期1,280億円(会社予想は1,260億円)、2018年3月期1,670億円、2019年3月期1,510億円、全社営業利益は同じく740億円(会社予想725億円)、990億円、760億円となります。今後の業績は薬価引き下げによって波状に変化するであろうと思われます。

なお、2018年4月の定例の薬価改定時に、薬価制度の抜本的改革を行う議論も浮上しています。オプジーボの様な超大型新薬にどのような影響があるか、引き続き薬価制度の動向には注意が必要です。

3.株価は3,500~4,000円のレンジへの戻りが予想される

小野薬品工業の投資判断も変えません。当面は3,500~4,000円への戻りの相場が期待できると思われます。がん領域に熱心な製薬メーカー、アステラス製薬、武田薬品工業、中外製薬、エーザイ、協和発酵キリン、大塚ホールディングスなどと比べ、オプジーボのような世界的な超大型新薬を持つ小野薬品工業の予想PERが、会社予想ベースで30倍以下というのは割安と思われます。

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