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3Q決算が始まった。決算コメント、銘柄コメント:日本電産、ミクシィ
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

3Q決算が始まった。決算コメント、銘柄コメント:日本電産、ミクシィ

2016/1/22
2016年1月18~21日の株式市場は続落しました。日経平均株価は先週末のCME日経平均先物が下落したことを受け、18日から下落して始まり、18日は前週末比191.54円安の16,955.57円と17,000円を割りました。
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本レポートに掲載した銘柄

日本電産/ルネサス エレクトロニクス/村田製作所/TDK/アルプス電気/ソニー/トヨタ自動車/本田技研工業/富士重工業/マツダ/小野薬品工業/大日本住友製薬/武田薬品工業/ペプチドリーム/そーせいグループ/任天堂/ミクシィ/カプコン/東映アニメーション/アニコム ホールディングス/アルファポリス/アミューズ

1.相場概況:日経平均株価は一時16,000円に接近

2016年1月18~21日の株式市場は続落しました。日経平均株価は先週末のCME日経平均先物が下落したことを受け、18日から下落して始まり、18日は前週末比191.54円安の16,955.57円と17,000円を割りました。19日にはやや持ち直し終値で17,000円台を回復しましたが、20日からは再び下げ足を早め、21日終値は前日比398.93円安の16,017.26円と16,000円すれすれのところまで下落しました。

このような短期間での大幅下落の背景にあるのは、まず外人売りです。産油国が原油安に伴う財政悪化を補填するために、日本株を含む株式を換金売りする動きが報じられています。また、アメリカの金利上昇によって、機関投資家が投資している金融資産の構成比を変更する動き(要するに株式のポジションを縮小する動き)もあると思われます。これらの動きでは、株式市場の動きを見ながら丁寧に売るのではなく、全ポートフォリオにおける株式あるいは日本株の構成比を新たに決められた比率に下げるまで一方的に売るようです。

また、このような機関投資家の動きに合わせて日経平均先物を売る動きが活発になっています。1月20~21日、21~22日の日経平均先物(大証夜間取引、CME)は、一時16,000円を割りました。

先週の本稿でも書きましたが、「節目」の考え方が重要になってくると思われます。16,000円は重要な節目です。グラフ1のように、2013年から2014年にかけて、3回にわたって16,000円前後に存在する上値抵抗線に日経平均株価は跳ね返されました。そのため、これまでの20,000円から17,000円まで1,000円刻みで存在する下値支持線よりも、16,000円は強力な下値支持線であると考えられます。実際に、20~21日、21~22日の大証夜間取引とCMEでは、日経平均先物が16,000円を割った後急速に戻しました。

一方で、もし日経平均株価が16,000円で下げ止まらず、これを下回った状態が続く場合は、逆に16,000円が強力な上値抵抗線になってしまいます。そうなってしまうと、これを再び上に抜くにはかなり大きなエネルギーが必要になってしまいます。投資する銘柄を業績と将来性で選別することが重要になると思われます。

そしてこの場合、最終的な下値抵抗線は14,000円になると思われます。相場の早期回復を期待する場合、16,000円は絶対防衛線と言えると思われます。

ただし、外人売りは一定の量の売りが出尽くせば、収まるかピークを過ぎる可能性があります。そうなれば、その後はファンダメンタルズが反映される株価形成になると思われます。22日朝のCME日経平均先物は16,400円台、引けは大幅高でした。今後の動きが注目されます。

2.3Q決算が始まった

このように難しい相場展開の中で2016年3月期第3四半期(3Q)決算が始まりました。

主な企業の決算発表スケジュールを表1にまとめました。

私が注目しているのが、まず自動車です。円高とアメリカ景気をどう評価するのかが焦点になると思われます。1月29日の本田技研工業、2月4日の富士重工業、マツダ、2月5日のトヨタ自動車に注目したいと思います。

電子部品では、今年9月発売と思われる「iPhone7」、中国スマホ、自動車向けの動きが重要になります。日本電産(1月21日)、アルプス電気(1月27日)、村田製作所、TDK、ソニー(いずれも1月29日)、ルネサス エレクトロニクス(2月9日)など。

薬品では、小野薬品工業(2月2日)、武田薬品工業(2月3日)、大日本住友製薬(1月27日)、ペプチドリーム(2月5日)、そーせいグループ(2月10日)など。

ゲームでは、任天堂(2月2日)、ミクシィ(2月5日)、カプコン(1月28日)など。

設備投資関連では、ファナック(1月28日)など。

また小型株では、東映アニメーション(1月29日)、アニコムホールディングス(2月5日)、アルファポリス(2月10日)、アミューズ(2月12日)などが注目されます。

グラフ1 日経平均株価:週足

グラフ2 東証マザーズ指数:週足

グラフ3 ドル円レート:日足

グラフ4 ユーロ円レート:日足

グラフ5 東証各指数(2016年1月21日まで)を
2012年11月14日を起点(=100)として指数化

表1 主要企業の2016年3月期3Q決算発表スケジュール

3.決算コメント、銘柄コメント

日本電産

1月21日、日本電産は2016年3月期第3四半期(3Q、2015年10-12月期)決算を発表しました。3Qは売上高3,080億100万円(前年比16.6%増)、営業利益321億6,000万円(11.7%増)となりました。

精密小型モーターは、HDD用スピンドルモーターが、HDD需要が減少になる中で増収となり、円安による利益押し上げがありました。一方で、新たに加わった高級スマートフォン向け振動モーターはユーザーの減産が響き計画未達となりました。

車載及び家電・商業・産業用は、車載中心に順調に伸びましたが、家電用が中国のエアコン在庫の増加によって販売が伸び悩みました。

機器装置は中国の設備投資需要減少で減収減益となりました。

電子・光学部品は、生産性改善で増益となりました。

2016年3月期の業績見通しは前回予想から変更されませんでした。今の為替レートとユーザー業界の動きから見て、上方修正は期待しないほうがよいと思われます。

一方で、将来へ向けた動きは引き続き活発です。会社側の方針は、世界的なモーター技術にセンサーとソフトウェアを組み合わせて、ADAS(先進運転支援システム)、自動車のヘッドアップディスプレイ、触覚デバイス、ロボット、ドローンなどの先端分野に応用するというものです。特に自動車向けに注力しており、モーター、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)などの分野で,2,018~2026年に販売する計画の長期の受注を得ている模様です。

また、触覚デバイスに使う振動モーターでは、2015年夏から出荷開始した高級スマホ向け(アップル向けと思われる)は顧客のスマートフォン販売台数が予定に達せず計画未達となった模様ですが、来期分については、従来顧客向けだけでなく、中国スマホメーカー等の新規顧客からの受注がある模様です。

これらを考えると、来期は増収増益となると思われます。特にスマホ向け事業が拡大しそうであること、自動車向けの受注が増加していることは評価してよいと思われます。

また、一部で報道されているルネサス エレクトロニクスの買収、あるいは出資については、会社側は決算説明会でコメントしませんでしたが、自動車向けECUに大きな関心を持っていること、モーター、センサー、ソフトウェアの組み合わせを長期戦略の中で重視していることを考えると、関心は大きいものと思われます。あとは条件次第かもしれません。

もっとも、中長期的には成長期待の大きな企業ですが、足元の株価は割安とは言えないと思われます。投資には中長期スタンスが必要と思われます。

ただし、ルネサス エレクトロニクスを実際に買収する場合は、投資妙味が増すと思われます。

ルネサス エレクトロニクスは、自動車、エレクトロニクス両方に幅広く半導体事業を展開しています。特に自動車産業では、ECUをはじめとする自動車の中核半導体を、トヨタ自動車を頂点とする日本自動車産業に供給するだけでなく、世界の自動車メーカーに供給している会社です。それだけに、難しい「しがらみ」(大手自動車メーカーとの取引条件など)を抱えている会社です。

もし日本電産がルネサスを傘下に収め、この難しい「しがらみ」を時間をかけて解決することができるならば、世界の自動車産業の中核に日本電産が位置することになると言っても過言ではないと思われます。この場合、買収資金調達のために株価に相当の希薄化が起きたとしても、それを上回る企業価値が実現できる可能性が大きいと思われます。

はたしてルネサス買収が実現するのかどうか、重大な関心を持って見守りたいと思います。

表2 日本電産の四半期全社業績

表3 日本電産の製品グループ別業績推移

表4 日本電産の通期業績

グラフ6 日本電産のセグメント別営業利益(単位:百万円、出所:会社資料より楽天証券作成)

ミクシィ

1月21日引け後、ミクシィは2016年3月期業績見通しを上方修正しました。それによれば前回予想の売上高1,850億円(前年比63.8%増)、営業利益800億円(51.8%増)、経常利益800億円(51.8%増)、当期純利益520億円(57.7%増)は、売上高2,050億円(81.5%増)、営業利益900億円(70.8%増)、経常利益900億円(70.8%増)、当期純利益590億円(79.0%増)、EPS 710.3円に修正されました。

また、配当は従来予想の129円から142円になる見込みです。

この上方修正に意外感はありません。「モンスターストライク」の2Qまでの伸びを引き延ばせば、予め予想できたものです。

ただし、株価の割安感は強くなります。21日終値ベースでは、PER5.0倍、配当利回り4.0%です。

また、1月20日に配信開始した新作「ブラックナイトストライカーズ」の今後の収益寄与が注目されます。22日8時現在でアップストア「ゲーム」カテゴリーの無料ダウンロードランキングは10位で滑り出しは順調ですが、レビューの内容は良い評価ばかりではありません。

2月5日の決算発表で、経営陣が先行きをどのように見ているか注目したいと思います。

本レポートに掲載した銘柄

日本電産/ルネサス エレクトロニクス/村田製作所/TDK/アルプス電気/ソニー/トヨタ自動車/本田技研工業/富士重工業/マツダ/小野薬品工業/大日本住友製薬/武田薬品工業/ペプチドリーム/そーせいグループ/任天堂/ミクシィ/カプコン/東映アニメーション/アニコム ホールディングス/アルファポリス/アミューズ

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