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日経平均株価は18,000円を挟んだ動き。セクターコメント:2016年3月期2Q決算の見所(電子部品、自動車、ゲーム、建設など)
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

日経平均株価は18,000円を挟んだ動き。セクターコメント:2016年3月期2Q決算の見所(電子部品、自動車、ゲーム、建設など)

2015/10/16
10月5日の週の株式市場は、週初より下げ基調となりました。10月14日に日経平均は再び18,000円を割れました。中国経済の先行き不安に加え、機械受注の悪化で日本経済への不安が台頭してきたところに…
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1.2015年10月13日の週の相場概況:日経平均株価は18,000円を挟んだ動きに

10月13日の週の株式市場は、週初より下げ基調となりました。10月14日に日経平均は再び18,000円を割れました。中国経済の先行き不安に加え、機械受注の悪化で日本経済への不安が台頭してきたところに、米インテルの減益決算が出てきたため、幅広い業種が下がる展開となりました。インテルの減益決算の前に、米マイクロン・テクノロジーがスマートフォンにも使うモバイルDRAMに大型投資を行うと言う好ニュースが出ましたが、これは14日には無視されたようで、代わりに、スマートフォン向けが弱いため減益決算となったインテルの決算を重視する相場となりました。強い材料に反応せず、弱い材料を受け入れるところなどは、相場の基調の弱さと見ることもできるでしょう。

ただし、18,000円を割れると割安感、値頃感も出てくるようで、15日はドル円レートが1ドル=118円台に入る中、日経平均株価は前日比205.90円高の18,096.90円となり、18,000円台を回復しました。16日も前場は続伸し、18,300円台に入りました。

来週10月19日の週から日本企業の2016年3月期2Q決算が始まります。2Q決算のスケジュールを後に示しますが、19日の週の重要決算は安川電機(20日)と日本電産(21日)ぐらいで、26日の週に自動車、電機を初め主要セクターの主要企業の決算発表が集中します。また、10月27日(現地時間)には米アップルの決算もあります。今は決算が出て足元の業績と先の見通しを確認する前です。

アメリカ企業の7-9月期決算が順次発表されており、日本企業の2Q決算(7-9月期)を待っている中では、日経平均株価は上へも下へも本格的な動きにはなりにくいと思われます。ただし、個別銘柄を見る場合には、2Q決算で業績順調が確認できた場合、相場下落によってPERが適正水準以下に下がっているならば、投資のチャンスになると思われます。

例えば、マイクロンが日本において、モバイルDRAMの大型投資に踏み切ると言うことは、同じようにスマートフォン向け電子部品に大型投資を行っている村田製作所、ソニーなどの動きの正しさを追認するものです。マイクロンは、市況が悪いときに大型投資を行い、その投資の多くが成功したことによって大きくなった会社であり、彼らがスマートフォン用半導体に大型投資をするということは、株式市場にとっても重要な投資情報と言えます。

日本の株式市場は、中長期的な買い場に入りつつあるようにも思われます。19日からの決算の中身を慎重に見極めたいと思います。

グラフ1 日経平均株価:日足

グラフ2 日経平均株価:週足

グラフ3 日経平均株価:月足

グラフ4 東証マザーズ指数:週足

グラフ5 ドル円レート:日足

グラフ6 ユーロ円レート:日足

グラフ7 東証各指数(2015年10月15日まで)を
2012年11月14日を起点(=100)として指数化

2.セクターコメント:2016年3月期2Q決算の見所

上述のように10月19日の週から、日本企業の2016年3月期2Q(7-9月期)決算が始まります。今回はその見所をセクターごとに解説したいと思います。

電子部品

先行きについて見方が割れはじめたのが電子部品です。スマートフォン全体の市場の先行きをどうみるか、「iPhone6s」シリーズを頂点とする高級スマホの将来性をどう評価するかで、弱気な見方が増えているようです。

一方で、高級品から中級品にかけてのスマートフォンの機能高度化によって、部品の高級化、高級部品の装着個数の増加が続いています。これらの動きが、電子部品メーカーの業績と先行きの予想にどう現れるか、大きな注目点です。

まず、21日に日本電産の決算発表があります。日本電産が生産する振動モーターは、「iPhone6s」シリーズに搭載される3D Touch(触覚デバイス)のキーデバイスと言われています。主要企業のトップで決算発表しますが、22日の決算説明会での社長の発言が注目されます(後日質問も含めて会社のウェブサイトでストリーミングを見ることができます)。

次の週になると、27日(現地時間)にアップルの決算発表があります。10-12月期のガイダンスが注目されます。そして、日本航空電子工業(スマホ向けコネクタの大手、28日)、ソニー、アルプス電気(各29日)、村田製作所、TDK、日東電工(各30日)と電子部品の主要企業の決算発表が続きます。

米マイクロン・テクノロジーはマイクロンメモリジャパン(旧エルピーダメモリ広島工場)に2016年8月期に1,000億円超の設備投資を行うと発表しました。2015年8月期も1,000億円規模の投資を行っているため、2年続けての大型投資となります。得意のモバイルDRAMの生産設備を増強する見込みです。当然この背景には、スマートフォン向けの需要増加の読みがあると思われます。

自動車

日野自動車、三菱自動車(各10月27日)のあと、日産自動車、ダイハツ工業(各11月1日)、本田技研工業、スズキ(各4日)、トヨタ自動車、富士重工業、マツダ(各5日)、いすゞ自動車(6日)と続きます。自動車部品では、デンソー、アイシン精機(各10月30日)があります。

注目点は「変化率」です。アメリカでは中大型ライトトラック(SUV、ピックアップトラック)の好調が続いていますが、反面、小型車が不振です。この構図がこのまま続くと、特にトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車のようにセダン系小型車の車種が多いメーカーにとって良い状況とは言えません。一方で、富士重工業、マツダのような中堅自動車メーカーが、個性の強い車作りをしており、販売台数が増えています。地域別に見ると、アメリカのみが好調で、日本、アジアは不振と好不調の別がはっきりしてきており、各社の業績にもばらつきが出そうです。

また、フォルクスワーゲンの不正ソフト問題が日系メーカーの今後にどう結びつくか、今回の決算だけでは判然としないかも知れませんが、中長期的な注目点と思われます。

自動車部品ではデンソーに注目したいと思います。1Qで日系メーカー向け、海外メーカー向けともに、新規の納入が伸びていました。その動きが続いているのかどうかがポイントです。

ゲーム

コーエーテクモホールディングス(10月26日)、任天堂(28日)、ソニー、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、カプコン(各29日)、バンダイナムコホールディングス(11月5日)、ミクシィ、スクウェア・エニックス・ホールディングス(各6日)、コロプラ、ディー・エヌ・エー(各11日)などがあります。

今回の注目点は、ネイティブアプリゲーム(スマホゲーム)会社の売上高と営業利益が、どの程度伸びているのか、あるいは減っているのかということです。また、ミクシィの10-12月期に配信開始とされる新作ソフトの内容が注目されます。

同時に、家庭用ゲーム会社の業績に注目したいと思います。家庭用ゲーム会社の中では、家庭用ゲームだけでなく、ネイティブアプリゲームと家庭用ゲームの2分野で稼いでいる会社の業績拡大が目立っています。バンダイナムコホールディングス、スクウェア・エニックス・ホールディングスなどが、家庭用、ネイティブの2分野で業績を向上させています。任天堂もamiibo関連のゲームソフトを10-12月期に複数発売する計画ですが、ネイティブアプリゲームでも新作を配信開始する予定です。

また家庭用単独では、カプコンが新作「モンスターハンタークロス」(11月28日)を発売する計画です。

ソニーの動きも注目されます。PS4を日本と北米で値下げしました。

これまでネイティブアプリゲームの勢いに押されてきた家庭用ゲームと家庭用ゲーム会社の存在感が相対的に上がってきていることが、最近の日本と海外のゲーム市場の特徴です。この動きと決算に注目したいと思います。

建設

大手建設では、大成建設、清水建設(各11月9日)、大林組、鹿島建設(各10日)、準大手建設では、西松建設(6日)、熊谷組(11日)、安藤・間(12日)などがあります。

10月9日、大林組は上期業績見通しを上方修正しました。上期営業利益は当初見通しでは210億円(前上期は168億円)でしたが、修正見通しでは410億円(前年比2.4倍)となる見通しです。会社側では新しい通期見通しを2Q決算発表時に示すとしています。

2015年3月期の通期営業利益484億円に対して、上期の比率は35%でした。今期も同じ比率と仮定すると、2016年3月期は1,100~1,200億円と1,000億円の大台を突破することになります。

大林組の業績好調の要因は、国内建築、土木ともに採算が改善していることです。これは2013年秋から労務費、資材費の上昇を工事原価に転嫁して受注する「選別受注」を始めたこと、国内建設市場の最悪期、2,011~2012年に受注した不採算工事が2014年3月末、2015年3月末に相次いで完工したため、手持ち受注残の中の不採算工事が大幅に減少していると思われることです。

この事情は大成建設、清水建設、鹿島建設だけでなく、熊谷組、西松建設、安藤・間などの準大手建設会社にも言えることだと思われます。首都圏中心に中大型ビルの建設計画、再開発計画は多く、今後はリニア中央新幹線の工事本格化が期待されます。

今後の焦点は建設受注のピークがいつになるのかです。コンセンサスでは受注のピークは2,017~2018年、完工のピークは2,019~2020年ということですが、1年以上後ろ倒しになる可能性は十分あります。建設受注が活発な地域が、首都圏から中部にかけての地域に偏っていることが難点ではありますが、建設セクターの決算に注目したいと思います。

エンタテインメント、中小型株

エンタテインメントでは東宝(2月決算)の業績堅調が示しているように、映画に注目したいと思います。3月決算企業では、東映アニメーション(10月30日)、東映(11月13日)です。東映アニメーションは7月に上期と通期の業績見通しを上方修正しています。中国向け映像配信権、国内での「ワンピース」ゲームからの収益、「ドラゴンボール」シリーズの関連商品からの権利収入などの寄与です。ただし、下期分はほとんど修正していません。ネットフリックスとアニメ配信権について交渉中の模様ですが、これも含めて下期業績がどうなるかが焦点です。

アルファポリス(11月12日)は、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」のシリーズ累計発行部数(小説、アニメの合計)が10月に310万部になりました。また、このアニメのシーズン2が2016年1月から放送開始となります。業績への寄与が注目されます。

アニコム ホールディングス(11月6日)の業績にも注目したいと思います。ペット保険の加入者数、保有保険件数が伸び続けており、中長期的な業績拡大が期待されます。

表1 主要企業の2016年3月期2Q決算発表スケジュール

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