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波乱の2015年が始まる。特集:2015年のセクター見通し2(ゲーム)
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

波乱の2015年が始まる。特集:2015年のセクター見通し2(ゲーム)

2015/1/9
新年1月5日の週の株式市場は、大荒れの展開で幕を明けました。2014年の株式市場は、12月30日の17,450.77円、前日比279.07円安で引けました。
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明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

1.2015年1月5日の週の相場概況:日経平均は大幅下落の後持ち直す。

新年の相場は大荒れ:

新年1月5日の週の株式市場は、大荒れの展開で幕を明けました。

2014年の株式市場は、12月30日の17,450.77円、前日比279.07円安で引けました。2013年12月30日終値の16,291.31円から、1,159.46円、7.1%上昇しましたが、最後まで上昇し続けるとまでは行きませんでした。

1月5日の週は、昨年末の地合いを引き継ぎ、大幅下落で始まりました。日経平均は、5日に42.06円安となった後、原油安を背景として5日のNYダウが前日比331.34ドルの大幅安となったため、6日の日経平均も525.52円安となり終値で17,000円を割り込みました。

ただし、7日のNYダウがADP民間雇用者数の伸びや、同日公表された昨年12月のFOMC議事録要旨でFRBが利上げを急がない姿勢を示したことなどから、212.88ドル高となりました。これを受けて8日の日経平均も反発し、281.77円高の17,167.10円で引けました。再び17,000円台を回復しました。為替レートは、8日に一時118円近くまで円高になっていましたが、119円台後半に円安になってきました。

8日もNYダウは323.35ドル高の大幅高となりました。これを受けて9日の日経平均も12時50分時点で100円程度上昇しています。

原油安となり、円安ですから、日本の加工型製造業の業績には有利になります。トヨタ自動車、富士重工業、マツダ、デンソーなどの自動車、自動車部品関連や、ソニー、村田製作所、日本電産、太陽誘電などの電機、電子部品関連が買われました。ただし、タカタの問題を抱える本田技研工業、日本で不振の日産自動車、低燃費の小型車が主力のため原油安がアメリカ販売の向かい風になるかもしれないマツダはチャートの形が必ずしもよくありません。

一方で、小型車、中型車、SUV、ピックアップトラックと車種が豊富で、アメリカで採算の良いSUVが好調で、燃料電池車という好材料があるトヨタ自動車、燃費だけではなく「走り」の面白さをアピールしている富士重工業のチャートが上値を志向するチャートを描いていることは、株価の動きがファンダメンタルズを反映していることを示唆していると思われます。

また、自動車、電機の中でも、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機、NOKなどの自動車部品関連、村田製作所、日本電産、TDK、ヒロセ電機、アルプス電気などの電子部品関連が買われていることは、自動車やスマートフォンの技術革新の中核に部品会社が位置するためでしょう。これに関連して、自動車向けに急速にシフトしているパナソニック、運転支援システムに注力しているJVCケンウッドにも投資妙味がありそうです。

今年注意すべきリスク:

一方で、相場全体を見ると、今年は各種のリスクを意識しておいたほうがよさそうです。原油安は、日本やアメリカでは燃料代、電気代の低下に結びつきますが、同時に資源国経済のパフォーマンス低下、先進国から資源国への投融資の信用リスクの顕在化など、世界経済に影響が出る可能性があります。

アメリカの利上げがいつになるのかも重要です。先送りされそうな雰囲気もありますが、利上げとなれば、国際的な資金需給に大きな影響がでるでしょう。

また日本では、消費税増税後の反動が、特に大型耐久消費財(自動車や冷蔵庫などの大型家電など)で長引いています。実質賃金指数が昨年4月以降3%台の前年比マイナスで、11月は4.3%減と大きく下がっていること、今年2月以降、食品、日用品で値上げラッシュとなりそうなことを考えると、今年4月に十分な賃上げがない場合、実質賃金の低下が続き、それが消費不況に結びつく可能性がないとは言えないと思われます。

一方で、日銀の大型金融緩和と円安(アメリカの利上げによるドル買いという面と日本の財政悪化による円売りの両面があると思われます)がありますので、株式市場の基調は強いと思われます。基調が強い株式市場において、上述の内外リスクが顕在化して、株式市場が時折大幅調整する可能性があるというのが今年の株式市場の姿かもしれません。これが現時点での私の予想です。

「安定運用」と「分散投資」:

もしそうであれば、今年の株式市場は特定セクターに投資妙味の多いマーケットではあるものの、相場全体では昨年よりもリスクが多い市場になる可能性があります。そうであるならば、銘柄選択は慎重に良い銘柄を選びたいと思います。森よりも木という発想です。運用のやり方は、「安全運転」、「安定運用」、「分散投資」がキーワードになると思われます。

昨年の年初と比較すると、中小型株、新興市場株の株価の位置が昨年年初は十分に低く、PER、PBRが低い銘柄もあったのに対して、現在はそれらが十分に(銘柄によっては相当に)高くなっています。そのため、今あえて冒険的な投資(例えば高PERの中小型株、新興市場株への投資)に積極的になる理由はないと思われます。逆に、東証1部には大型株から中小型株まで、好業績で、財務内容が良く、低PER低PBRで、事業展開がグローバルで、様々な分野で将来有望な会社が数多くあります。私の見るところ、その筆頭がトヨタ自動車です。また、部品を含む、自動車、電機の両セクターに、多くの投資チャンスがあると思われます。

そこで、それら自動車、電機各社への投資(特に挙げると、トヨタ自動車、富士重工業、マツダ、デンソー、ソニー、パナソニック、村田製作所、日本電産など)や、個別銘柄に加えて以前から本稿で提案している業種別ETF(自動車・輸送機器、電機のETF)や専門投信(例えば「トヨタグループ株式ファンド」)への投資によって幅広く網を掛けると同時に、分散効果を得るという考え方を検討してみるのも一つのやり方ではないかと思われます。

グラフ1 日経平均株価:週足

2.中小型株は反発したが、指数はまちまちの動き。

中小型株の各指標(東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、東証2部総合指数)は、日経平均と同じように6日に軟化しましたが、その後はまちまちの動きでした。マザーズ指数は、小動きで少々煮詰まった動きになっています。一方で、日経ジャスダック平均は、12月3日の昨年来高値近辺まで戻しました。東証2部総合指数は、1月8日に昨年来高値を更新しました。

このように指数ごとに動きに違いが出てきた背景には、各市場に上場している銘柄の特色があると思われます。東証マザーズは、成長企業特化型の市場なので、今は赤字でも将来の成長期待が大きい銘柄が多くなります。そのためPERは相対的に高くなります。一方、ジャスダックはどちらかといえば安定成長型の中堅企業、東証2部ははっきりと中堅企業という位置づけです。マザーズ指数が伸び悩み、ジャスダック、東証2部が堅調なのは、中小型株も相対的に低PERの銘柄に物色がシフトしているためと思われます。

株式市場に各種のリスクがある場合は、高PER株には注意が必要です。実際、今週の中小型株を見ると、これまで人気だった銘柄、FFRI、SHIFTや最近動きが激しいガーラが軟化しています。高PER株ではありませんが、ミクシィの株価が下がっていることも気になります。マザーズ市場から離れる資金があるのかもしれません。

グラフ2 東証マザーズ指数:週足

グラフ3 日経ジャスダック平均:週足

グラフ4 東証2部総合指数:週足

3.特集:2015年のセクター見通し2(ゲーム)

今回は2015年のセクター見通しの2回目として、ゲームセクターを概観したいと思います。

ネイティブアプリゲーム:

まずは、ネイティブアプリゲームからです。表1はミクシィの「モンスターストライク」がアップストア、グーグルプレイで課金売上高トップになった日数を月毎に数えたものです。「モンスト」が1位だった日数は11月がピークで12月は減少しています。これは「モンスト」が弱くなったというよりも、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」が、クリスマスシーズンのようなゲーム会社にとっての稼ぎ時には強いということでしょう。

もっとも、正月三が日は、「モンスト」が課金売上高トップになっています。また注目したいのは、無料ダウンロードランキングでも上位に入っていることです(表2)。ミクシィは中長期的な成長のために着実にモンストのユーザー数を増やしていると評価できます。

表2は元旦のアップストアのランキングです。課金売上高ランキングを見ると、上位10位の会社は見慣れた会社ばかりです。激しい競争の結果、大手が集約されてきたと思われます。

表1 「モンスターストライク」が課金売上高ランキングで1位になった日数(全カテゴリー)

表2 アップストアのアプリ順位(日本のみ、全カテゴリー、2015年1月1日)

2015年の注目点は、次のとおりです。

1.ミクシィの業績はいつガンホーを抜くか:

これは難しい問題です。ガンホーは「パズドラ」の3DS版新作ソフトで任天堂の「スーパーマリオ」とのコラボレーションを実現します(「パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズエディション」、4月29日発売予定)。ゲームの中でスーパーマリオが登場します。ガンホーの業績は下降局面に入っていると思われますが、ただで落ちていくだけの会社ではないということです。

2.ミクシィの成長は続くか:

課金売上高ランキング、無料ダウンロードランキングを見る限り、パズドラほど急激ではありませんが、ミクシィの高成長は続いていると思われます。最盛期のパズドラほど過熱していないため、逆に十分成長ののりしろがあると思われます。

3.ネイティブアプリの海外展開:

残念ながら現時点では海外展開は上手く行っていません。モンストの中国版「怪物弾珠」は、中国アップストアでの課金売上高ランキングが最高で22位でしたが、現在降下中で1月8日は82位でした。無料ダウンロードランキングも100位内から消えました。今後の努力が必要でしょう。

4.ゲームジャンルの多様化:

昨年の重要な変化は、パズルゲームやアクションゲームだけでなく、従来スマホゲームでは難しいと言われていたRPG(ロールプレイングゲーム)がネイティブアプリゲームの中に入ってきたことです。これには、コロプラが昨年7月に配信開始した「白猫プロジェクト」が大きく貢献しています。従来RPGをプレイするときに問題になっていた操作性を、擬似コントローラー「ぷにコン」を画面内に作りこむことによって大きく向上させました。コロプラ以外にも、マーベラスが2013年12月に配信開始した「剣と魔法のログレス いにしえの女神」がランキング上位に入ったり、エイチームが2014年12月にRPG「ユニゾンリーグ」を配信開始したり、大手だけでなく、中堅ゲーム会社でもRPGへの取り組み強化が見られます。

5.LINEゲーム:

LINEのゲーム事業強化策にも注目したいと思います。エイチームとの合弁会社設立に続き、サイバーエージェント、グリーともゲームの合弁会社を設立しました。LINEゲームは現在は「LINE:ディズニー ツムツム」などのパズルゲーム、カジュアルゲームが主ですが、他社との合弁を通じてゲームジャンルを多様化しようとしています。ただし、LINEと組んでも、アップルやグーグルに手数料を徴収された後にLINEにも手数料を取られたり、レベニューシェアをする必要があるため、よほど大きな課金売上高が見込まなければLINEと組むのは得策ではないと考える会社もあるようです。LINEが1億人を超えるユーザーをベースにどうゲーム事業を拡大させるかが注目点です。

ネイティブアプリゲームの注目銘柄としては、まず、ミクシィ、コロプラ、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの大手3社です。ミクシィ、コロプラは継続的な成長が続いていると思われること、PERが20倍以下と比較的低いことが注目点です。ガンホーは業績下降局面が続いている場合はリスクがありますが、任天堂とのコラボレーションが業績にどう寄与するのか注目したいと思います。

また、マーベラス、エイチームのような中堅にも注目してみたいと思います。

家庭用ゲーム:

家庭用ゲームでは大きな変化が起きています。プラットフォーム(ゲームのハードウェア)ではソニーのプレイステーション4が急速に伸びています。クリスマスシーズンのソフト販売ランキングを見ると、PS3、PS4用ソフトがよく売れました(表5)。足元でもPS4のハードウェアは好調な売れ行きです。ソニーはゲーム部門での収益基盤を着実に固めていると思われます。

一方、ソフト会社別に見ると、クリスマスシーズンに最もよく売れたソフトは任天堂のオリジナルソフトです(表4)。「ポケットモンスター アルファルビー/オメガサファイア」など、上位20位の中で任天堂のオリジナルゲームが4作ランクインしています。1年前に比べて伸びも大きくなっています。ソニー製ソフトも伸びてはいますが、任天堂製ソフトとは本数が違います。

任天堂は、今後も3DSのソフトラインナップが充実すると思われます。パワーアップしたNEWニンテンドー3DSの発売も効果的でした。

任天堂は1年前までは、Wii、DS両市場の減少に対して、3DS、Wii Uの市場を十分に伸ばせず、営業赤字が続いていました。しかし、今回のクリスマス商戦の結果を見る限り、はっきりと復活したようです。逆にソニーは収益ドライバーとしての自社製ソフトの力が任天堂に比べてまだまだ足らないという課題があるようです。

もっともソニーは、当面は自社製ソフトよりも、ゲームだけでなく、音楽、映画などのコンテンツ全般を流通させる独自ネットワークの構築の熱心です。ネットワークにはサイバー攻撃というリスクがありますが、他社に対して差別化のポイントになります。ソニーがゲームをどのように収益化していくのか注目されます。

今後の任天堂にとっては、3DSの次世代機がいつ発売になるのかが重要になってきます。2004年11月のDSの発売から2011年2月の3DS発売までに約6年かかっています。これを当てはめると、携帯型次世代機の発売は2016年冬頃と予想されます。実際にはもう少し早いかもしれません。3DSとWii UはWii、DSのような大ブームにはなりませんでしたので、逆に次世代機は伸ばし易いと思われます。

また、任天堂の新しい試みにも注目したいと思います。上述のように、4月にガンホーが発売する予定の新作ソフト「パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズエディション」で、「パズドラ」と「マリオ」がコラボします。任天堂は現時点ではスマートフォン向けゲームを製作するつもりはないようですが、将来も絶対にやらないとは言っていません。エンタテインメントマシンとして急速な進歩を続けるスマートフォンと、既に全世界で多くのユーザーを抱えるネイティブアプリゲームの世界を完全に無視することは、任天堂といえどももはや難しくなっていると思われます。

これまで任天堂は、自社の将来を決するような重要な提携を行う場合、相手に業界最大手を選んでいます。現時点でこの予測は正月の初夢的なものですが、今回のコラボレーションは将来任天堂がスマートフォンゲームに進出する布石になるかもしれません。その意味で、4月発売予定のガンホーの新作ソフトがどの程度売れるのか、その後任天堂とガンホーの関係が発展的に続くのか、あるいは、近い将来期間限定のような形であっても、ガンホーの「パズドラ」(ネイティブアプリのです)の中でマリオが動くことがあるのかないのか、今回のコラボには注目する必要があります。

表3 2014年12月20日に終わる週の家庭用ゲームソフト販売ランキング(全世界)

表4 クリスマスシーズン上位20タイトルの内訳(全世界、販売元、開発元別)

表5 2014年クリスマスシーズンのプラットフォーム別ソフト販売本数(全世界)

表6 2014年12月27日に終わる週のハードウェア販売台数(全世界)

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