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円安で日経平均が上昇する一方で、中小型株は調整色がでてきた。(ミクシィ、日本通信のコメント)
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所アナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を分かり…

円安で日経平均が上昇する一方で、中小型株は調整色がでてきた。(ミクシィ、日本通信のコメント)

2014/9/5
9月1日の週の株式市場は、前半に円安になり、一時2014年1月ぶりに1ドル=105円台に入ったことを受け、自動車、電機などの大型株が買われる展開となりました。
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(1)2014年9月1日の週の相場概況:日経平均は円安で反発した

9月1日の週の株式市場は、前半に円安になり、一時2014年1月ぶりに1ドル=105円台に入ったことを受け、自動車、電機などの大型株が買われる展開となりました。

アメリカで金利先高感が出てきたことや、日本の貿易収支の赤字が縮小しそうにないという観測が出てきたことなどで、ドル円レートが円安になりました。また、夏場好調だった東証マザーズ指数が8月下旬から調整に入ったことから、比較的PERの安いトヨタ自動車、本田技研工業、富士重工業、マツダなどの自動車株や、8月は株価の動きが不調だった三菱地所、三井不動産、住友不動産などの不動産株などに資金が向かいました。熊谷組などの準大手建設株も上昇しました。

週後半になると、やや円高に振れたことで大型株が息切れし、日経平均が再びもたつく局面がありました。しかし、3日に安倍改造内閣が発足したこと、ECB(欧州中央銀行)の利下げと資産担保証券の買い入れ決定などで、4日夜から再び1ドル=105円台に戻したことなどを受け、5日前場は日経平均は高く始まり、自動車、電機などの輸出関連が再び買われる展開となっています。

自動車のアメリカ販売が好調

業績に関して前向きな材料もいろいろと出ています。自動車についてみると、為替レートの前提が1ドル=100~101円なのに対して、足元では1ドル=105円台になっています。トヨタ自動車では1ドル1円の円安で営業利益に対して年間400億円の上乗せ要因が発生します。

また、普通車メーカー(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、富士重工業、マツダ)にとって重要な収益源であるアメリカ市場で、自動車販売が好調です。

アメリカの調査会社AUTODATAによれば、8月のアメリカの新車販売台数は前年比5.5%増となっており、6月1.2%増、7月9.1%増に続き順調に伸びました。この中で、トヨタ自動車のアメリカ販売台数は、2014年6月前年比3.3%増、7月11.6%増、8月6.3%増であり、利益率の高いライトトラック(ピックアップトラック、SUV)が伸びています。日産自動車は、乗用車中心の伸びですが、6月5.3%増、7月11.4%増、8月11.5%増です。富士重工業は、6月5.4%増、7月27.0%増、8月22.4%増、マツダは、6月16.5%増、7月17.1%増、8月11.4%増です。7-9月期の為替とアメリカ販売の動き、アジア販売の動きなどによっては、2Q決算で通期業績見通しを上方修正する自動車メーカーも出てくる可能性があります。

電機はスマートフォンのシーズンに入ってきた

電機では、電子部品メーカーの動きが注目されます。アップルの「iPhone6」発売が10月と言われています。「iPhone6」だけでなく、中国スマートフォンメーカーの生産も秋にかけて活発になると思われます。

この動きを受けたものと思われますが、電子機器に多用されるチップ積層セラミックコンデンサやその他の重要部品の世界的大手である村田製作所の受注は、7月にそれまでのトレンドよりも比較的大きく伸びて、その後高原状態になっている模様です。同社の1Q業績は売上高2,179億円(前年比13.2%増)、営業利益は368億円(同47.9%増)でした。通期見通しは、売上高9,200億円(8.7%増)、営業利益1,440億円(14.4%増)です。通常は2Q、3Qと右肩上がりに売上高が増えていくため、今のトレンドが維持されるなら、会社予想上方修正の可能性が高くなります。また、1ドル=100円の前提ですが、1ドル1円の円安で30億円の円安メリットが発生します。

スマートフォン関連部品のメーカーとしては、ヒロセ電機(コネクタ)、TDK(高周波部品など)、ソニー(カメラ用イメージセンサ)などがあります。これらの各社の業績にも注目したいと思います。

このように、自動車、電機ともに、業績面ではポジティブな材料があります。引き続き投資機会があると見てよいと思われます。

グラフ1 日経平均株価:日足

(2)中小型株は主要指数が下落に転じた

中小型株を見ると、東証マザーズ指数に続き、日経ジャスダック平均、東証2部総合指数がいずれも週初から週半ばにかけて下落しており、中小型株に調整色が出ています。5日前場も東証2部、マザーズはやや反発しましたが、ジャスダックは安くなっています。

中小型株の業績動向は、大型株よりも複雑です。その会社の置かれている環境や経営者の姿勢、考え方などに大きく影響されます。

ミクシィ

例えば、ミクシィには業績好調を示す好材料があります。8月12日から始まった「モンスターストライク(モンスト)」のキャラクターとLINEゲームのキャラクターが共演するテレビコマーシャルと、8月13日~9月24日の期間限定で行っている、「モンスト」内でのLINEキャラクター登場の効果によって、7月19日に1,000万人、8月12日に1,100万人になった累計ダウンロード数(海外を含みますがわずかです)は、8月25日に1,200万人になりました。

そして、ダウンロード数の増加に伴い、キャンペーンを催しているため、課金売上高が増加している模様です。LINEとのコラボレーションの前は、アップストアやグーグルプレイの課金売上高ランキングで「モンスト」が1位になるのは月に1回程度で(ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のシステムメンテナンスと「モンスト」のキャンペーンが重なったときなど)、これまでは1位「パズドラ」、2位「モンスト」が定位置でした。

しかし最近は、8月29日(金)から31日(日)の3日間連続で「モンスターストライク」がアップストアのトップでした。9月4日(木)もトップで、5日(金)も午前中はトップです。グーグルプレイでも8月31日(日)、9月1日(月)は「モンスト」がトップでした。これまでの順位が少しずつ揺らぎ始めているのです。「パズドラ」の売上高は月次ベースで横ばいになっている模様なので、この順位変動は「モンスト」の急成長によるものと思われます。

ミクシィの2014年4-6月期業績は売上高127億円、営業利益47億円、7-9月期会社予想は売上高203億円、営業利益83億円です。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは4-6月期売上高444億円、営業利益250億円です。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの7-9月期売上高が4-6月期の横ばいとすると、7-9月期のミクシィの売上高はガンホー・オンライン・エンターテイメントの約半分に接近するということになります。

グーグルトレンドで、「パズドラ」、「モンスト」、「ツムツム」(LINEの「ディズニー ツムツム」)、「黒猫のウィズ」(コロプラ)、「白猫プロジェクト」(コロプラ)のワード検索数をグラフ化してみると、「パズドラ」と「モンスト」の人気度合いがかつてなく接近していることがわかります。このグラフがそのまま業績を表すわけではありませんし、グラフを作る日によって形が変わることがあるため、一応の参考程度ですが、ある程度人気度合いを測ることは出来ると思われます。もし「モンスト」の今の勢いが衰えないならば、7-9月期のミクシィの業績は会社予想通りか上回る可能性があります。また、それ以降も四半期ベースで伸び続けると思われます。

現時点での、楽天証券のミクシィの2015年3月期業績は、売上高890億円、営業利益340億円、経常利益340億円、当期純利益209億円、EPS 259.9円ですが、これを下回ることは今のところ考えにくいと思われます。9月4日終値5,200円で計算するとPERは20.0倍となります。今の勢いの中ではこのPERは割安であると私は考えます。

グラフ2 グーグルトレンドで見るゲームの人気度

日本通信

一方で、中小型銘柄の中には見込み違いもあります。例えば日本通信です。個人向けの格安SIMの売れ行きが、私が考えていたほど盛り上がっていないようです。理由はいくつか考えられます。

第1は、競争激化です。データ通信カードも電話も参入企業が多くなっています。

第2は、大手携帯電話会社が電話定額料金を導入したことです。格安SIMの電話は、30秒20円なので、電話定額料金のほうが、電話に関しては割安になるのです。

第3は、中国製、韓国製の格安LTE対応端末が、期待したほど日本の消費者に受け入れられていないことです。日本の消費者には、格安といえども日本製の信頼性が必要なのでしょう。

この状況に会社側も対応しています。まず、個人向けは大手携帯電話会社にSIMロック解除が義務付けられる来年度(2016年3月期)以降の拡大を目指すことにしています。電話については、NTTドコモに対して、音声回線(LTE)の相互接続を申し入れました。これが受け入れられれば、定額制料金などの割引制度を音声で導入することが出来るようになります。日本人向けの格安LTE端末については、来期からのSIMロック解除を目指して、日系メーカーが日本対応の格安LET端末(SIMフリー)を開発している模様です。

営業面では、法人向け、通信ディーラー向けに注力しています。もともと、丸紅子会社の丸紅無線通信向けに数万件の契約を持つなど法人向けには実績があります。法人向け、通信ディーラー向けは卸売りになるため、個人向けに比べ採算は悪いものの、数万件単位で契約件数を得ることができます。顧客の社外、社内通信ネットワークだけでなく、各種機器間の無線オンラインを受注できる可能性もあります。顧客開拓に時間はかかりますが、個人向けよりも規模が大きいビジネスになる可能性があります。

一方今期は、会社予想業績の売上高62億3,000万円(前年比33.5%増)、営業利益12億3,000万円(70.0%増)、経常利益12億円(69.2%増)、当期純利益11億3,000万円(28.1%増)、EPS 8.3円から、大きな上方修正は今のところ考えにくい情勢です。9月4日終値700円から予想PERは78.7倍です。利益の伸びは大きく、将来性もありますが、再度の株価上昇は、業績の拡大を見てからとなる可能性があります。

ミクシィと日本通信の例は一例ですが、中小型銘柄の人気銘柄の業績動向と株価を見ると、今後、当面の業績による選別が始まる可能性があります。ミクシィの様な好業績銘柄を選別して、そうでないものは乗り換えるか、再度の投資チャンスを待つか、選択する必要がありそうです。

中小型銘柄の裾野は広く、割安株も多いため、相場が終わったわけではないと思われます。急騰後の反動は致し方がないと思われますが、割安成長株を選別したいと思います。

グラフ3 東証2部総合指数:日足

グラフ4 東証マザーズ指数:日足

グラフ5 日経ジャスダック平均:日足

グラフ6 東証各指数(2014年9月4日まで)を
2012年11月14日を起点(=100)として指数化

表1 楽天証券投資WEEKLY

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