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治(ち)きわまれば乱に入る相場が動くのはいつ?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

治(ち)きわまれば乱に入る相場が動くのはいつ?

2016/10/13
12日の日経平均は184円安の16,840円でした。11日に1ヶ月ぶりに17,000円台を回復しましたが、一旦17,000円の壁に打ち返された形となりました。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 日経平均は16-17,000円のレンジでやや膠着しつつある。投資環境が徐々に改善しつつあるが、上値を追うにはまだ力不足。材料待ちの膠着が今しばらく続きそうである。
  • 治きわまれば乱に入る。大きく動かない相場のあとに、大きく動く相場が来る。年内にもう一度、相場が動く局面が来ると考えている。
  • メインシナリオでは、年末にかけて1ドル105-107円へ円安が進み、日経平均は18,000―19,000円に上昇すると見ている。ただし、1ドル100円を割れる円高が進み、日経平均が16,000円に向かって下がるリスクもまだ残る。

(1)日経平均に足元、やや膠着感が出ている

12日の日経平均は184円安の16,840円でした。11日に1ヶ月ぶりに17,000円台を回復しましたが、一旦17,000円の壁に打ち返された形となりました。投資環境は徐々に改善していますが、まだ、上値をトライする条件は整っていないと考えられます。

日経平均週足:2015年1月5日―2016年10月12日

(注:楽天証券マーケットスピードより筆者作成)

今の日経平均は、二重の柵に囲われた状態です。ここ3ヶ月は、16-17,000円の柵(2本の赤い線)に閉じ込められて外に出られなくなっています。その外側には、さらに15,000-17,600円の壁(2本の水色の線)があります。一時的に内側の柵を越えても、外側の壁まで越えられそうにない状況です。

(2)上値が重く、下値が堅い相場が続いている理由

今の相場材料が、みな中途半端で、上値トライにも下値トライにも不十分だからです。

円高への恐怖がやや低下

1ドル100円を割れる円高が進む可能性は低下しました。米景気は堅調で、年内に米利上げが見込める状況だからです。ただし、米景気の回復力は鈍く、年内に利上げができなくなる不安もまだ残っています。

11月8日にドナルド・トランプ大統領が実現する恐怖は低下

反資本主義・反グローバル主義の過激発言を繰り返すトランプ氏の支持率が低下してきたことを、株式市場は好感しています。ただ、対抗候補のヒラリー・クリントン氏も不人気で、米大統領選は「不人気決戦」の様相を呈しています。クリントン氏が消去法的に大統領に選ばれても強いリーダーシップを持つことはできないかもしれません。また、クリントン氏も最近、TPP反対など、反グローバル主義に寄った発言をするようになっており、クリントン大統領が実現しても、株式市場が素直に好感できるかわかりません。

ブレグジット(英国のEU離脱)やドイツ銀不安によるショックは緩和

ブレグジット可決で世界恐慌になる、といった極論は影をひそめました。ドイツ銀行への巨額課徴金は、減額の方向で話が進みそうです。ただし、EUへの求心力が低下している問題、欧州の銀行が不良債権をかかえて体力が低下している問題は、解決していません。

中国景気失速の不安は低下

足元の中国の景気指標は改善傾向にあります。ただし、中国経済の構造問題は解決していません。

資源バブル崩壊の痛手はやわらいでいる

原油など資源価格が反発したので、資源国の景気や資源関連産業が一段と悪化するリスクは低下しました。ただし、資源ビジネスが構造問題を抱えた状況は変わりません。

(3)治きわまれば乱に入り、乱きわまれば治に入る

これは、三国志演義に出てくる有名な一節です。「平和が続くと戦争が起こりやすくなり、戦争が続いた後は平和な時代が来る」という意味です。これは、相場の世界にも通用する言葉として、私は胸に刻み込んできました。

「大きく動く(荒れる)相場が続いた後は、変動性の小さい(大きく動かない)相場が来る。変動性の小さい相場の後には、荒れる相場がくる」と読み替えることができます。

いま、日本株だけでなく、世界的に株の変動性が落ちています。相場にやや膠着感が出ているのは、株だけではありません。為替(ドル円)や金利にもやや膠着感が出ています。しばらく、相場は、上下とも動きにくい展開が続くと考えられます。

ただし、いつの日か、金融市場がふたたび荒れる日が来ることを肝に銘じておくべきです。「治きわまれば、乱に入る」です。ただし、私はまだ現時点で、「治がきわまっている」とは思っていません。もう少し、大きく動かない相場が続き、誰もが相場の小さい変動性に慣れたところで、荒れる相場が突然来るのだと思います。それは年末年始ころと、想定しています。

メインシナリオでは、日経平均を囲む柵と壁を、年末までに日経平均が越え、18,000円以上に上昇することを想定しています。ただし、逆に、16,000円に下落するリスクも、残っています。

日米金融政策がどう動くか、あるいは動かないか、それによって為替が円高・円安どちらかに動くかが、日経平均の方向性を決めるのに重要です。

もう1つ、重要な材料があります。日本の企業業績がどうなるかです。20日から始まる9月中間決算の発表に注目しています。私は、東証一部3月期決算企業の最終利益(純利益)は、今後1ドル100円で推移しても、今期(2017年3月期)小幅増益を維持できると予想しています。円高が進んだ割りには、日本の企業業績は堅調と予想しています。私の考え通りとなるか、中間決算の発表が始まってから、改めて報告します。

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