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注目したいドル円反転の兆しと原油相場堅調
香川 睦
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

注目したいドル円反転の兆しと原油相場堅調

2016/10/7
今週はドル円の反発(103.50円/6日15:00時点)が国内株式堅調の下支え役となりました。
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執筆:香川睦

  • 米ドル主導でドル円が反転の兆し。米大統領選やドイツ銀行を巡る不透明感が後退し、米雇用統計を受けたドル金利の方向感次第で日経平均は上値をトライする動きか。
  • IMFの世界経済見通し(最新版)でグローバルグロースの行方を知る。世界の実質成長率は緩やかながら拡大へ。日本と新興国経済の実質成長率に上方修正の動き。
  • OPEC減産合意を受け原油相場が上昇。WTI先物が年初来高値(51ドル台)を抜けるなら、ディスインフレ観測の後退でドル金利が上昇し一段の円安が示現する可能性も。

(1)ドル相場の堅調が国内株式の支え

今週はドル円の反発(103.50円/6日15:00時点)が国内株式堅調の下支え役となりました。主要通貨に対する米ドル指数(DXY)は最近2ヶ月の高値を更新。その背景として、(1)FRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言で年内の追加利上げ観測が徐々に強まり「金融政策の行方に敏感」とされる米2年債利回りが上昇、(2)日欧の債券利回りがマイナス圏で推移していることで日米(欧米)金利差が拡大、(3)原油相場と米国株の戻りを受けた投資家センチメントの改善などが挙げられます。テクニカル面でみてもドル円は一目均衡表の「雲」の上限を上抜け、反転堅調の兆しをみせています(10月5日)。米大統領選挙を巡る不透明感はいったん後退しており、ドイツ銀行の経営不安に関しては、米司法省が同行に請求した課徴金(140億ドル)の減額に向け交渉中と報道されています。引当金(60億ドル)の範囲に納まる(自己資本の毀損に至らない)との見方が増えています。目先は、ドル円が「底離れ」の動きを強めていくか否かに注目したいと思います。

図表1:米ドル指数と日米欧の短期債利回りの推移

(注)米ドル指数=The U.S. Dollar Index (主要通貨に対する米ドルの総合的な動きを示す)
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2016年10月5日)

(2)最新のIMF世界経済見通しの注目点

グローバルグロース(世界の経済成長)見通しが足元で変化しつつあります。10月4日にIMF(国際通貨基金)が発表した最新の世界経済見通しによると、世界の実質成長率予想は(7月時予想より)下方修正されました(図表2)。米国の景気減速とBREXIT(英国のEU離脱を決めた国民投票)を受けた英国景気鈍化が主因です。ただ、日本に関しては、消費増税の先送り決定と28兆円に及ぶ景気対策の効果を見込み、2017年の成長率見通しが上方修正されました。全体に抑制気味とは言え、グローバルグロース見通しは、16年が前年比+3.1%、17年が同+3.4%と依然底堅く推移する見通しです。一方、中国の成長率が減速しながらも景況感が安定してきたこと、原油相場の持ち直しを受けブラジルとロシアの成長率見通しがともに上方修正されたことに注目したいと思います。なお、世界のGDP規模で1位の米国と2位の中国の製造業及び非製造業景況感を示すPMI(購買担当者指数)は、景況感の分岐点(50)をともに上回っています。穏やかな世界経済の成長と低位で緩やかなペースに留まる金利上昇は、国内株式の支援材料となりそうです。IMFは、今回の成長率見通し発表にあたり、「成長を支えるため、先進国・地域の中央銀行は緩和的な金融政策を継続するべきである」、「インフラ、教育、テクノロジーへの支出(財政出動)を増やし、生産能力の拡大を図るとともに、格差是正のための措置を講じるべき」とも述べました。こうした見通しを背景に、先進国金利の上昇は穏やかなペースに留まるとみられ、世界株式を下支えしそうです。

図表2:IMF世界経済見通し(最新版)

(出所)IMF(国際通貨基金)による最新経済見通し(10月4日発表)
より楽天証券経済研究所作成

(3)原油相場堅調も株価上昇のカタリストか

今後さらに注目したい材料が原油相場の動向です。WTI先物は、9月28日にOPEC(石油輸出国機構)が減産合意に至ったことや、10月5日にAPI(米石油協会)が発表した全米在庫が市場予想に反して減少したことを受け回復基調を辿っています(図表3)。本年の高値であるバレル当り51.23ドル(6月8日終値)を抜ける強さをみせるなら、年初に米景気後退懸念と合わせて米国株下落要因となった「逆オイルショック(ディスインフレ観測)」が後退していく可能性があります。原油相場とほぼ連動した国際商品市況(JOC商品価格指数)の回復基調にも注目です。この場合、「12月の米・追加利上げ観測」が高まり、ドル金利の上昇とドル円の上昇(円安)が一段と進む可能性があり、国内株の支援材料となりそうです。国内株式は、日銀によるETF買いが下支え役を果たしてきましたが、上値は外部環境を巡る不透明感と為替の円高(ドル安)圧力で抑えられてきました。今晩(7日の米国時間朝)発表される9月の米雇用統計、米大統領選挙動向、米国株式、ドイツ銀行の経営不安などに波乱が無く、原油相場の堅調がカタリスト(契機)となってドル円が底離れを一段と鮮明にするなら、日経平均はさらなる上値に挑戦していく可能性があると考えます。

図表3:原油相場と国際商品市況の推移

(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2016年10月5日)

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